9月14日の数字:12年度にLED照明市場6.4倍に

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期待のLED市場、今後急速な伸びが予想されているようです。
このブログでも何回が取り上げているLED照明、その市場が今後急速に成長する可能性が出てきた。「(調査会社の富士経済によれば)発光ダイオード(LED)照明市場が2012年度に103億円(08年度比6.4倍)に拡大するなど省エネ機器の普及が進むと予測した(日経産業新聞2009年9月9日付2面)」

急成長の背景としてあげられているのは、法改正である。来年4月には改正省エネ法が施行され、外食チェーンなどのエネルギー管理が強化される。この法律自体が制定されたのは、旧・自民党政権時代の話だ。これがCO2削減に熱心な民主党政権下では、さらに加速する可能性もあるだろう。

すでに、こうした流れを先取りしてワタミなどでは全店での照明LED入れ替えを決めていたりする。従来、照明機器には手を出していなかったシャープが、破壊的な4000円という価格戦略で市場参入してきたおかけでLED市場は一気に活性化した。

ここで一つ、とても興味深い話がある。シャープが照明機器に手を出すのは、このLEDが初めてのこと。そこで悩んだのが、マーケティングの4Pの中ではプライスだったらしい。社内でも相当な議論が戦わせられたという。なぜなら、それまで家庭用のLED照明といえば、東芝が出している1万円が標準価格とされていたからだ。

しかし、ここでユニークな発想をするところがいかにもシャープらしい。「目のつけどころがシャープでしょ」は「値のつけどころがシャープでしょ」に通じるのだ。

つまり従来の電球の40倍、長持ちするのがLEDであるなら、価格も従来の電球の40倍とすれば、消費者の納得を得られるのではないかと考えた。そこで出てきた価格が百円電球の40倍、つまり4000円である。この価格が1万円が相場だったLEDマーケットにどれだけのインパクトを与えたかは、容易に想像が付くだろう。

そして、消費者に納得感の高いプライシングになったであろうことも。もちろん、そのためには生産プロセスから流通コストに至るまでの精査な見直しが必要だったはず。しかし、そうした見直しを通じて結果的には企業はより強靱になっていくのではないだろうか。