7月12日の数字:寿命40倍、価格40倍

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プライシング戦略の妙
シャープは、今月15日に予定していた家庭用のLED(発光ダイオード)電球の発売を来月以降に先送りした(京都新聞2009年7月11日朝刊13面)。予想以上の注文が来たために、生産が追いつかないのだという。
LEDは、家庭に「照明革命」をもたらすといわれている。なぜか。まず従来の白熱球に比べると、圧倒的に寿命がのびる。白熱球の寿命がだいたい1000時間なのに対して、LEDなら4万時間。実に40倍にもなる。
しかもLEDは消費電力が少ない。これも白熱球と比べるなら約8分の1しか電気を使わない。極めてエコなのだ。蛍光灯と比べても、使う電力は3割ほど少なく、寿命は3倍以上になる。環境にとてもやさしい電球がLEDというわけだ。
しかし、一つだけ致命的な欠点があった。高いのだ。これまでのLED電球はひとつ1万円ぐらい、となるとそうは簡単には手が出ない。そこでシャープは寿命が40倍なんだから値段は40倍以下に抑えようとした。今回発売予定のLED電球は4000円以下になる予定。これがヒットした。
まさしくプライシングの魔力、といったところなのだろう。とても興味深い事例だと思う。

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