ラックなたたずまい《安全対策》

高圧ガス運搬の事故防止
   意外に知られていませんが、研究室などで使用する高圧ガスを運搬する時、エレベータ内で事故が発生することが少なくありません。

写真は某大学の理系棟のエレベータ内に貼られた危険を喚起する掲示です。

普通、業者が持ってきたり、危険物倉庫から持ち出しだガスボンベはキャリーに載せて運びます。
超低温の液体ヘリウムや液体窒素はボンベ内から僅かにガスを出していますが、これらのガスには通常「毒性」がないため、不慣れな者が扱うと大変なことになる可能性があります。

それは、
窒息事故。

密閉されたエレベータ内や室内でガスのために酸素が欠乏し、死亡事故に至るケースがあります。



安全に搬送するには、たとえばエレベータでの運搬は、

1.ボンベの乗ったキャリーをエレベータに乗せる。
2.作業者はエレベータから下りる。
3.途中の階に止まらないように設定し(これが問題。できないエレベータが少なくありません)。
4.作業者は別のエレベータまたは階段で目的階に先回り。
5.エレベータが着いたら、ドアが開いて安全を確認してからキャリーを下ろします。

大学などのラボに限らず工場や倉庫など事業所に於ける安全教育の大切さが求められています。