躾とは仕付けなり

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今日、読んだ作家の井川香四郎さんのコラムに書いてあったことです。
躾とは仕付けのことで、
仕付けとは裁縫で縫い目がずれないように仮に縫い付けておくことだそうです。
それがきちんとしていないと、まともな着物が仕上がらないのだそうです。
江戸時代の子供への躾は、七人の仮親が仕付け(躾)をしていたとのこと。
帯親、取上げ親、抱き親、拾い親、乳付け親、名付け親、守親です。
これらの親に孝行することを躾られ、生きるために必要な身構えと心構えを
寺子屋で教わったのだそうです。
ここで子供たちは学問もさることながら、「礼育」もしっかり教わります。

井川さんいわく、七人の親たちが仕付けた糸を大切にしながら、
しっかりと縫い合わせてゆくのが、寺子屋の師匠の一番大きな仕事だったそうです。
幕末には5万の寺子屋があったそうですが、
激動の幕末・明治維新をのりきった日本の底力の根幹を垣間見た気がします。