与える男

みなさんはユニコ−ンの「与える男」という曲を知っていますか?

伊丹十三監督の映画に「あげまん」というのがありましたが、その逆パターン。いわゆる「あげちん」男の物語。
「あげちん」を自称する男が女の子を口説くさまを描いたこの曲は、姑息にして厚かましく、同情さえ誘うほどけなげな男の下心を切々と歌い上げた名曲であります。

このあげちん男は、「僕ならきっと力になれる」と語りかけます。時折「試してみなきゃわからない」と開き直りながらも、「きっとあなたは生まれ変わる」と続けるのです。

この曲の不思議なところは、この自称あげちん男が「本当にあげちんなのかも?」と思えてくるところです。
相手の女の子はもとより、この曲を聴いている人間も、おそらくこの自称あげちん男本人までもが、自分はあげちんなのかも?という倒錯状態で語っているように思えてきます。
そしてその真相は、「試してみなきゃわからない」のです。

と、ここまで考えてひとつの疑問がわいてきました。

私はホームページ活用のコンサルティングを仕事としています。
このコンサルティングをセールスするときって、この自称あげちん男と一緒なんじゃないか?と。

コンサルタントに限ったことではないのですが、形のないものを売るいわゆる「サービス業」は、医者も、占い師も、教師も、国会議員も、その効果というか効能はこのあげちん男と同じく試してみなきゃわかりません。
その試してみなきゃわからないものを売り込もうとした時には、「僕ならきっと力になれる」と語りかけるしかないのです。

もちろん裏付けや経験/実績も参考にはなるでしょうが、この自称あげちん男だって、前の彼女のときは本当に彼女が出世したのやも知れません。

そんなこんなを考えていると、サービス業(形のない商品)のセールス/プロモーションって本当に難しいなぁと思います。
顧客は何をもって信用し、納得してもらえるのか?どうやったら聞く耳を持ってもらえるのか?思い考える日々が続くのでありました。

あ、もちろん私の会社のコンサルティングサービスは、しっかり練られた充実のサービスですよ。
決してこのあげちん男のように下心で言ってるのではありません。(本当に・・・。)