タレックス オリジナル オーバーグラス
コマーシャライザー
- 2009/03/29 00:00
- 投稿者: hojo
- 表示回数 3,605
見てみると、決まった流れと、エフェクトがあって音楽なども準備されています.テーマがいくつかあってそれぞれに写真の枚数やコピーの数も決まっていますので、それにあわせて写真やコピーをいれるだけでCM動画が制作されます.
試しに手持ちの写真を入れてみましたが、一見キチンとしたCM風のものがつくれます.
ただ、サンプルの動画を見ていてもどれも同じような感じで、あまり印象に残るものがありません.
基本的にCM等の広告は、クライアントが何をどうお客さんに訴えたいのかを、CMを制作するディレクターがクライアントから汲み取り整理して作り直して、結果としてCMや印刷媒体というカタチに仕上げます.
プロセスを見ていると、カタチにする作業はその最後の1工程で、そこでのスキルは当然必要ですが、CMとしての勝負はそれ以前のプロセスでほぼ決まります.
結局、このサービスはその最後の部部だけを簡単に出来るようにしたもので、その表現自体も向こうまかせになります.そのため、パッと見はそこそこに出来ていますが、内容がぜんぜん伝わってきません.
このサービスで効果的なCMを創ろうとすると、自分の意図をうまくシステムが準備したフォーマットに落とし込んで、写真やコピーもフォーマットにあわせて準備し直すなど、結局イチから制作するのと手間的にはほぼ変わらないでしょう.
実際に商売されている方のCMもアップロードされていましたが、店の什器や小物を全部百円均一で揃えた様な印象で、ものすごくチープに見えました.まあ、何も考えずに広告代理店に丸投げすると、同じようなものになるのかもしれませんが、、、.
結局、セミナーの宿題はMacに付属のiLifeで制作しました.
このソフトも簡単に動画を作れる機能があって、ほとんど手間をかけずにできました.(今回初めてiMovieを使いましたが、ホント簡単です)
iLifeも同様にシロウトが出来合いの素材を集めてそれなりの作品を作れるようになっているのですが、いかにコンセプトやメッセージを伝わるようにするか、という表現の部分にユーザーが集中できるようにデザインされています.
デザインのプロセスで考えると、iLifeはカタチにするまえの考え方を整理してそれをどう表現するか、というディレクター業に専念できるようになっていて、手を動かすデザインオペレーター業の部分はかなりソフトが肩代わりしてくれます.
コマーシャライザーの方は、どっちかというとディレクターもシステム側が用意して、利用者はクライアントの立場で素材だけ提供するようなカタチになってしまっていて、思考停止状態に陥りやすいようです.
言い換えるとアップルのソフトは、「クリエィティブなことをする手助けを丁寧にしてくれる」のに対して、コマーシャライザーは「パッと見のいいものを自動販売機的に提供する」事に終わっています.
二つのソフトを見比べて、そういうソフトの思想の違いを感じました.