産地のデザイン

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某和紙の産地へ.漉き場を廻ってヒアリングをしてきました.
普通の和紙の産地は、主に手漉きの和紙を伝統的な作り方でつくる事を残す、という方向性でモノづくりをしています.こちらの産地は、一大産業として発展したという背景もあって、単に伝統的な事だけではなく(もちろんその方向性ものこしており人間国宝もいます)「紙」としての表現力、商品力やデザインを高める工夫を続けてきました.
こちらでは、和紙の産地にしては珍しく、手漉きの和紙も機械漉きの和紙も同じ団体でまとまっているし、漉き場の中にも手漉きと機械漉きの両方しているところも少なくないです.また、印刷や物性、価格の対応のためパルプも使うし、洋紙的な紙を漉く漉き場も珍しくないですが、その技術の基本は和紙の技術を独自に発展させたものとなっています.
そういった漉き場の技術はものすごいですし、紙のデザインも秀逸です.

この産地の場合、そういった創意工夫による成功が逆に足かせになって、間に入る問屋任せの商品作り馬鹿利していた為に、問屋の企画力の低下や海外シフトによって危機に陥っています.

ヒアリングでは、その漉き場の技術をお聞きするのもありますが、そういった変化への対応する意気込みをはかって、一緒にモノづくりをしていく所を探る目的もあります.まずは、変わる意欲のあるところとモノづくりをしていくつもりです.