バネにおけるセッチング、ホットセッチング及びクリープテンパの効用

2010/05/06 11:00
投稿者: nozaki カテゴリ:バネの設計
 へたりが問題視されるばねに対しては、その製造最終工程近くに、
そのばねが受ける同方向の過負荷を与える加工を行います。

この操作がセッチングと呼ばれ、この時の荷重は
一般に降伏荷重を越えて、若干の塑性変形を与えるものです。

セッチングには以下のような効果が期待できます。
       
バネの過荷重時の荷重ータワミ線図
たわみ線図

1、)加工硬化により耐力が上昇し、静荷重で使用される場合には、
  その使用限界の荷重をあげることができる。(上図参照)

2、)曲げ、またはねじり応力で使用されるばねでは、表面層に
  は使用状態と逆方向の残留応力層が形成されて、繰返し荷
  重を受けるばねの変形防止、および疲れ強度向上に有効的
  である。

また、へたりが問題となることが多いコイルばねや、
それらばねが高温で使用される場合には、
セッチング時にばねの温度を上げた状態で行うことがあります。
これをホットセッチングと言います。

これと同様な効果は、荷重をかけた状態で一定時間加熱
することで得られることができます。この操作をクリープテンパと言います。

これらの操作はセッチングの効果と低温焼なましの効果を
重畳させるとともに、初期のひずみ速度の速い部分のクリープを
短時間で事前に起こさせて、以後の変形を少なくすることを目的としたものです。

セッチングによりばねはいくぶん変形するので、前もってその量を見込んで成形する必要があり、
また使用応力が小さく、形状精度の重要なものは必ずしもセヅチングをすることはないのが実情です。

引張コイルばねはセッチングにより初張力が消失するので一般には行わないです。


 
 


 
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