えっ!シニアってオレのこと?

本日のマーケティングブログは、50代=ニューシニアの意識について。
彼らを「シニア」と呼んではいけないようです。
実年齢×0.8

今どきの若者ではなく、いまどきシニアの意識年齢である。たいていの50代が、気持ちも体も実年齢の8掛けぐらいに自分のことを考えているらしい。つまり50歳の人なら「まだまだ、オレ40だし」といった意識を持っているわけだ。孔子さんの教えに従うなら、ほんとは「天命を知る」年齢であるべきだが、そんなことどこ吹く風。ご本人の意識としては「そろそろ、惑わないようにせんとな」ぐらいに思っているのだろう。

いや、もしかしたら、そう思っているだけならまだましなのかもしれない。実際、今どきの50代の中には、ほんとに若い人もいる。さすがに血気盛んとまではいかないにしても、ふらふらと惑わされ続けている人も多いようで、熟年再婚が1995年から2005年でほぼ2倍に増えた、などという話もあるようだ。

そういえば、今年70歳を迎える加藤茶は、つい最近再婚した。うらやましいほど若くてきれいな奥さんをもらっている。いつだったかテレビを見ていると、その奥さん「子どもは10人ぐらい欲しい!」なんて言ってた。ほんまか、と思いつつ、8掛け理論(中には7掛けで考える人もいる)に従うなら、加藤茶の意識年齢は56、もし彼が7掛け派ならまだ49歳だ。まだまだばりばり現役だと考えている可能性は十分ある。

ともかく、これがシニアの意識である。博報堂新しい大人文化研究所の調査によれば、「何歳になっても若々しく前向きな意識を保ちたい」50代は調査対象の約8割にもなる。同じく「何歳になっても若々しい見た目でありたい』人も8割ぐらいいる(日経MJ新聞2012年4月4日付2面)。その志向性を示すなら、次のような図になるだろう。



まちがっても「成熟したい」などとは思わないのが、今どきの50代多数派と考えていい。だから、彼らに向けて「シニア〇〇」と名付けた商品を出しても絶対に響かない、届かない。ネーミングに「シニア」と付いた瞬間に、今どき50代は「あっ、シニア向けということは、自分向けの商品じゃないのね」と受け止める。もちろん「いきいき」とか「悠々」も禁句だ。

「50代になってもジーンズが似合う格好いい大人でありたい」と考える人も、50代で64.1%いる(前掲紙)。ということを、嗅ぎつけている企業は当然ある。つい最近、さまざまな年代の人が、ブルージーンズにオフホワイトのオックスフォードシャツを着こなすCMが始まったが、これなどは流行にさとい企業の典型だろう。

しかも、恐ろしいことに「50代を過ぎたら、もう年をとらない」と思っている人も61.4%いる(前掲紙)。彼らが「五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず」となるのかどうか。ならないのだとすれが、必ずそこに新しいマーケットが生まれるに違いない。

恐るべしフィフティーである。



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