8月10日の数字:前年4月比930倍の売れ行き

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不況だとか、モノが売れないと言われる時代に
恐ろしいぐらいの勢いで急拡大している市場があります。
LED照明です。
なぜ、LED照明は爆発的に売れているのでしょうか?

PEST
エコポイント&改正省エネ法

LED照明がバカ売れしている。「2010年6月の店頭販売数量は前年4月の930倍に膨らんだ(日経産業新聞2010年7月6日付22面)」。930倍である。

もっとも、昨年の時点ではまだLED照明はほとんど市場に出回っていなかったはず。確かシャープが今年、画期的なプライシングをとった商品を先行してから、急激に火が点いた。

その結果「業界では10年度の国内出荷が09年度の5倍にあたる2000万個に届くとの見方もある(前掲紙)」そうだ。では、なぜ今年はLEDの当たり年になったのか。

大きく4つの要因が考えられる。

まず第一には、シャープの動きがあると思う。それまで1万円が相場だったLEDマーケットに、4000円のプライシングで乗り込んだシャープが引き起こした衝撃は、とてつもなく大きかったはずだ。これでマーケット自体が一気に広がった。

続いてフォローとなったのが、エコポイントだろう。これを使うことで、実質的には3000円程度まで下がっていた実売価格の、さらに半分ぐらいで買えるようになった。少し前なら1万円だった製品が、その6分の1ぐらいのコストで手に入るのだ。しかもエコである。

そしてエコは、企業にとっての導入要因となった。今年4月から実施された改正省エネ法である。これにより多くの企業には、省エネ計画の提出が義務づけられるようになった。省エネにはLED照明が格好のアイテムとなるのだ。

さらにLED照明自体の特長がある。これはLEDさえ仕入れることができれば、極端な話、誰でも作ることができるのだ。よって、従来は装置産業だった照明業界に、新規参入が相次ぐことになる。住宅メーカーやゼネコン、あるいは家具メーカーまで巻き込んだ大乱戦が起こっている。

当然、市場は一気に活性化される。しかも照明器具の膨大な入替需要を考えれば、マーケットはめちゃくちゃでかい。マーケットライフサイクルでいえば、成長期前期ぐらいの段階だろう。今ならどこが参入しても、アイデアと商品次第で、勝ち残れる可能性はいくらでもある。

こうした背景があってのLEDマーケットの大盛況である。では、今後はどうなるのだろうか。数の論理で勝ち残るのか、あるいはいち早くからニッチを狙っていくのか。

勝ち残りのカギの一つには、調光があると思うのだが、いかがだろうか。