4月26日の数字:イベントでサンプル10万本

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花王が今度実施するツイッター連動のサンプリングイベント。
極めて巧みに組み立てられた費用対効果の高い
マーケティングプロモーションのようです。

4P分析→潜在顧客のあぶり出し

花王が「ヘルシア」の販促に力を入れる。目玉は二つ、ウオーキングイベントとツイッターの活用だ。これが実にうまい展開だと思う。

ウオーキングイベントについては「日本ウオーキング協会とも協力し、ウオーキングイベントで計10万本と同社として最多の試供品を配る(日経産業新聞2010年4月22日付16面)」そうだ。

計10万本を約20回のイベントで配るらしい。となると1回あたり平均で5000本である。ヘルシアの単価から考えれば、メーカー卸原価は60円ぐらいだろうか。仮に60円とすればサンプルコストは600万円になる。これで潜在顧客10万人と接触できるのなら、そのコストパフォーマンスは相当高い。

ヘルシアのような健康訴求型飲料マーケットは、かなり競争が厳しくなってきている。90年代後半に立ち上がった特定保健用食品市場は、この10年ずっと右肩上がりで急成長してきた。

マーケットライフサイクルでみれば、導入期から成長期へと入っているのだろう。製品メリットの認知は、一通り終わったと考えていい。

たまたま09年度は初めて市場規模が縮んでいるが、これは不況の影響だろうから、まだ成長期が続くのか、それともそろそろ成熟期に入るのかを今の段階で決めるのは難しい。

テレビコマーシャルを思い出してもわかるように、こうした「体にいいお茶」の広告は増えている。どのタレントの出ているのが、どのコマーシャルだったか、すぐに思い出せる人は少ないのではないか。

ユーザーサイドの認知がこのレベルまで高まったなら、次に採るべきは狙った層へのピンポイントのアプローチと、他社ブランドからのスイッチングがセオリーだ。そこで効くのがサンプリングである。

しかし、これを単純に街頭でばらまくとなると、コストパフォーマンスが一挙に落ちる。なぜなら、ターゲット以外にも配ってしまうからだ。そこで花王は実にうまい戦術を採用した。それがウオーキングイベントとの連動である。

そこにツイッターを絡めて口コミ効果を狙う。事前認知の促進にも繋がる。しかもツイッターなら、今のところタダで使える。加えてツイッターを使ったイベントなら、それだけでマスコミが報道してくれる。

二重、三重にメリットのある、実によく考えられた販促イベントだと思う。