3月2日の数字:電子部品29%増

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そろそろ景気が戻ってきた業種があります。
一方では、縮みきった市場が回復することはない業界も。
御社の業界はいかがでしょうか?

需要回復の良い知らせが入ってきた。「2009年12月の日本メーカーによる電子部品の世界出荷額は、前年同月比29%増の2879億円だった(日経産業新聞2010年3月1日付5面)」

業種・業態によっては、景気回復などまだみじんも感じられないところもあるだろう。しかし、明らかな変化の芽を感じることも確かだ。何しろリーマン・ショック以降は、全業種・全業態が等しく業績悪化の濁流に押し流されていたのだから。

少なくとも電子部品の回復が本物である理由としては、実需の存在がある。「パソコン・携帯電話・液晶テレビの四半期ごとの出荷台数推移を見るとわかりやすい(前掲紙)」。つまりパソコン・携帯電話・液晶テレビは需要が回復しつつあり、この傾向は「少なくとも5月までは続く(前掲紙)」と予想されている。

ただし、もう一つ突っ込んだ背景を考えるとどうなるか。上記3品目の需要が旺盛なのはおそらく中国で、それは同国での内需刺激策が効いているからではないか。世界の工場でありつつ、しかも世界最大の市場となりつつある中国の存在は、どんどん大きくなっている。

そしてパソコン・携帯電話・液晶テレビが中国で伸びる余地はまだある。さらには携帯電話についてはスマートフォン化も期待できるだろう。一方でアマゾンのKindle、アップルのiPadのようなデバイスについては、先進国でもそれなりの需要は期待できるだろう。

こうした製品関連パーツ、その製造機械関連の企業には間違いなく薄日が射してきているはずだ。これらパーツに関しては、昨年12月で需要復活の兆しが見えているとはいえ、07年12月と比べればまだ約7割の水準に止まるという。伸び代はまだまだあるといえるだろう。

だからといって単純に設備投資に走るのは考え物なのかもしれない。記事では「(日本電産は)投資をせずに生産性を上げてコストを下げる戦略を09年は強化した(前掲紙)」という。その結果、同社の回復基調は早くから鮮明になっている。そして景気そのものが回復し始めたとき、そうした準備は収益性向上につながる。

先を見据えた展開の巧緻が、いまほど問われる局面はないのではないか。先日取材させていただいた人材採用関連企業のトップは、この2年でマーケットは7割縮み、これは回復しても以前の5割に留まるという厳しい見通しをもち、すでにその対策を打っていた。。それもまた経営者なりの先見である。