2月17日の数字:社長の年齢29年連続上昇

  • 投稿者:  
  • 表示回数 1,711

社長は若い方が勢いがあって良いのか、
それとも年配の方が判断を間違わないのか。
単純な二元論で考えずに、
もう一歩深く見つめてみてはいかがでしょう。

社長の平均年齢が、日本では上がり続けているらしい。「2009年の帝国データバンクによる約116万社対象の調査では59歳5ヶ月と29年連続上昇した(日経産業新聞2010年2月16日付1面)」

「資本金10億円以上の大企業は63歳1ヶ月と全体平均を上回り、ほぼ横ばいで推移している(前掲紙)」という。そうなのか、と意外感を覚えるのは、メディアを見ている限り、そんなにお年寄りが多い印象を受けないからだ。

いまバッシングの最中にあるトヨタは、社長交代で若返られた。日産のゴーン氏だって若い。楽天・三木谷氏は40代で、ワタミ・渡邉会長は50歳のはず、ソフトバンクの孫さんは50ちょい。とあげてみると、マスコミに登場する人たちが若いことがわかる。

逆に圧倒的多数のマスコミに登場しない社長さん達は、お年を召しておられると言うことなのだろう。それでいいのだろうか。

社長は若い方がいい。あえて、そう言いきってみる。その理由をいくつか考えてみる。

年をとれば、頑固になる。自分の経験にこだわってしまう。成功のジレンマに陥るリスクが高くなる。経験がものいうのは安定局面であり、今のように非連続的な変化が起こっている最中は、経験が逆に足かせとなる可能性が高い。

経験を積む、特定分野に詳しくなればなるほど、新しいアイデアの長所よりアラが目につきやすくなる。失敗例をたくさんみているだけに仕方がない側面はあるが、無謀と思えるチャレンジをやらない限りブレイクスルーは起こらない。

年を取るということは、しがらみが増えることでもある。何かを判断する際に、純粋に経済合理的な見方をできなくなる恐れがある。つい情に流されてしまうことも考えられる。

ざっと思いつくのがこんなところだろう。それぞれに対して、反論も成立する。

不透明な状況の中で決断を迫られたときには、経験に基づく直感が何より頼りになる。失敗例をたくさんみているからこそ、新しいアイデアを確実に成功へ導くことができる。たとえしがらみがあっても、亀の甲より年の功でうまく調整することができる。

ということは、経験豊かな年配経営者がアドバイザーとして一歩引き、実際のアイデア出しからゴーサインが出た後の突破口を開いて、ぐいぐい前へ進める役割を若い経営者が担えば良いのではないだろうか。

問題は、人はなかなかアドバイザーには止まりきれない、ということなのだと思う。ちなみにアメリカの大企業の社長の平均年齢は55歳だそうだ。