12月1日の数字:「ユニばれ」気にせず28%

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ダントツの一人勝ち企業ユニクロ。
同社が圧倒的な支持を集める理由は何でしょうか?

「ユニばれ」とは「自分と同じユニクロの商品を来ている人を見たときの反応(日本経済新聞2009年11月30日付朝刊13面)」のことらしい。「60%の人がそうした出来事に遭遇しているが、28%は「気にしていないのでわからない」と回答した(前掲紙)」

言われてみれば。ここ数年はユニクロ以外で服を買った記憶がない。もちろん安いから、というのが最大の理由だが、それだけでもないように思う。便利というのも少し違う。他の理由は何かと考えれば、自分にとっての服がそういうものになったからだと思う。

幸い、自営業の自由業をしているゆえに、毎日スーツを着てどこかへ行かなければならないということがない。取材の時もジャケットは着るが、基本的にノーネクタイだ。だから外に出るとしてもジャケットとシャツ、そしてパンツがあれば事足りる。外に出ないときはジーンズでOKだ。

ということは、すべてユニクロでまかなえる。スーツはともかく、それ以外の洋服はすべてユニクロで十分だ、という人が増えているんじゃないだろうか。着心地は決して悪くない。センスだって、まあ悪いということはない。普通である。

ところが、この普通に見えるというのが、実はくせ者なのだ。意外と「普通に」見える格好をするのは難しい。だからといって「私はオシャレなのよ」アピールをしようと思えば、それはさらに面倒である。お金もかかるし、時間もかかる。

という人たちにとってユニクロは、まさに福音となった。最初の頃はちょっとどうなの的ダサさもあったけれど、めちゃくちゃスタイリッシュな広告戦略が効いて、ユニクロ=オシャレイメージが形成された。だからユニクロはオシャレなのだ。

つまりユニクロさえ着ていれば、少なくとも自分の服装が「だっせ〜」と思われることはないだろうという安心感がある。そしてユニクロのうまいのは、妙にデザインされたアイテムは決して出さないこと。そのデザインは基本的に、極めてシンプルだと思う。

デザインはシンプルな代わりに、カラーバリエーションには徹底的にこる。オシャレは色で楽しんでくださいということなのだ。まさにこれこそが、ユニクロが切り開いたブルーオーシャンではないのだろうか。だって、ユニクロ以前の日本人は、洋服の色にとっても臆病だったから。

自分にあったカラーコーディネイトをできる人は極めて少なく、色を使うとなるとど派手か黒一色、みたいなノリじゃなかったか。そこにユニクロはいろいろな色があることを教えてくれた。好きな色を着て楽しむ世界を開いてくれた。

ユニクロが売れるのも当たり前。ユニクロは、ファッション業界で新しいマーケット、ブルーオーシャンを開いたのだ。