11月4日の数字:不満はSNSにが1割強

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悪評は口コミで広まるもの。
では、口コミがネットで広がると、どうなるでしょうか?

「米国でオンラインショッピングに不満を抱いた消費者のうち、1割強が自分の経験をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に批判メッセージとして載せるとの調査結果が明らかになった(日経MJ新聞2009年10月23日付15面)」

さらっと読み流してしまって良い記事、ではない。その深刻さをしっかりと胸に刻み込む必要があるのではないだろうか。

以前、大手居酒屋チェーンの覆面調査を請け負ったことがある。店舗調査のついでに、調査員の方に「ちなみに、店で不愉快なことがあったら、どうします?」と聞いてみた。すると、驚くなかれ、その8割が「とりあえず家族、友人、知り合いなどに言う」と答えたのだ。

恐る恐る「じゃ、だいたい何人ぐらいの人に言いますかね?」とさらに尋ねてみると、少なくとも5人ぐらいで、多い場合には手当たり次第だと。平均してざっと10人ぐらいと見当を付けて、これを『悪口10倍増の法則』と名付けた。

これでも、まだましだったのだ。なぜならオフラインで口コミが伝わる分には、この程度で済むのだから。これが今や悪口はSNSで言う時代となっている。ということはもちろんブログに書く人もいるだろうし(そういえば、筆者もあまりにひどい焼き肉屋さんのことを以前書いたことがあるな)、今ならTwitterでつぶやく人だっているだろう。

あるいはオンラインショップなら掲示板に書き込む人もいるに違いない。そういえば『楽天トラベル』のホテル案内には掲示板があって、たくさん書き込みがなされている。あるいは『価格.com』の掲示板などはたしか書き込み数が1000万を超えていたはずだ。

こうした情報伝達手段の変化を考えるなら、今や悪口10倍増どころか悪口100万倍増にもなりかねないのが現状と言うことなのだろう。

だからといって、本当は何も恐れることはないと考えることもできる。ほめ言葉の伝達度はオフラインの場合、悪口に比べ3分の1ぐらいしかなかった。が、これだってオンラインの恩恵を受けて、もっともっと伝わるようになっているはずだ。

もちろんオフラインに流れている情報の多くは、頭からすべてを信用できるものではない、ぐらいに受け手の情報リテラシーも高まってきている。だから、むしろリアルな口コミよりも、情報の受け手がいったんきちんと自分なりに解釈して判断するようになる可能性もある。

だとすれば、オンラインでどれだけ自社情報を真摯に、かつオープンに提供するかが問われる。そんな時代になってきているのだと思う。