機械イラスト日記vol.46

最近の行った業務の一つに、線画トレースがあります。
機械をテーマに数々のイラストを描いていますが、部品展開図等で見られる決められた角度で描かれたイラストではなく、取材等で撮影した写真やキャプチャしたビデオを線画としてなぞって描き起こす作業です。

この線画トレース、よく取扱説明書などで作業手順を説明するイラストと説明すれば、どのようなものかわかりやすいと思います。
部品展開図のような描き方を行った場合、図面や現物等が必要になったり、ある程度正確に形がわかる資料が必要となります。弊社ウェブページの下記にあるようなイラストです。

http://www.b-zen.org/senga/bunkai.html

しかし写真トレースの場合、そのような資料は必要なく、写真一枚あればそこに写っているものをそのままなぞっていけばいいのです。
部品展開図のような正確性はありませんが、こういったイラストで再現しにくい作業手順やその注意事項を表現するのに適したイラストといえるでしょう。

ただし、写っているのもの全てをトレースしてしまうとかえって効率が悪いばかりか、線画ですので細かく描き込みすぎるとわかりづらいものになってしまいます。
弊社ではトレース前に、その前後の作業も含めて行っている事柄を十分理解してから作業に入っています。

同じ写真でも伝えたい事柄が違うと、トレースするべき線とそうでない線がはっきりするだけでなく、強調したり矢印を入れたりすることで、写真での説明は難しい、線画トレースならではのわかりやすいイラストに仕上げることが出来るからです。
そして他のテクニカルイラストよりも素早く描きあげることができるのも大きなメリットでしょう。

取材時や検証時にお客様から聞いた要望もふまえて、展開図や組図、線画トレースのメリットを上手く取り込みながらわかりやすいコンテンツ作りを作っています。(藤田)