9月18日の数字:サーバー300万台

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GoogleにAmazon。
莫大な数のサーバーを持つ企業は、そのメリットをどう生かしているのか?

Googleがもっているサーバーの台数である。これがどれだけとんでもない数字かといえば「日本国内のサーバー出荷台数の6年分(日経産業新聞2009年9月16日付1面)」というわけだ。

つまり日本中の企業が束になってかかっても、Googleと同じだけのサーバーを持つには6年かかることになる(正確には、ちょっと違うけれどまあだいたいそれぐらいということで)。もちろん、仮に今からヨーイドンで追っかけたって追いつきゃしない。なぜなら、その間にもGoogleは進化を続けるからだ。

これが約10年前、Google創業時には、サーバーはワンラックしかなかった。ものすごく単純にいえば、Googleは10年間でサーバーの数を300万倍に増やしたわけだ。しかも、初期には完成したサーバーを買っていたのではないという。今や伝説と化しているが、パーツを買ってきては自分たちでサーバーを組み立てていたともいう。

最初は検索の精度を高めるためのサーバー増強だった。おかげで検索といえば「ググる」といわれるほど、圧倒的なポジションを確保するに至った。もっともなぜか日本では未だにYahoo!を使っている人の方が多いらしいけれど。

そのうち、いろいろなサービスを追加するようになり、今ではメールからワープロ、スプレッドシートにプレゼン、さらには町の様子をリアルに見せてくれたりもする。個人的には、Gmailがないともはや仕事にならない。ネット関連のアプリケーションでいえば、ブラウザーこそ今はまだFirefoxを使っているが、マック版のChromeが出れば乗り換えるかもしれない。

さて、Googleがすごいのは、こうしたサービスを無償で提供していること。その代わりに広告がついてくるし、万が一のときにGoogleに責任を問うこともできない。似たようなサービスをAmazonも提供している。こちらはサーバーの有償提供だが、何しろ安い。

Amazonは、なぜそんなサービスを提供しているのか。サーバーの余力を活用しているのだ。本をはじめとするさまざまな発注から出荷に至る処理を担っているサーバーは、徹底した冗長化が図られている。すなわち、相当な余剰能力を持っている。これを売っている。

Googleが無料(実は広告掲載による収益化を図っている)なら、Amazonもコストゼロで収益を得ていることになる。余剰能力を持つことで本業で差別化を図り、しかも余剰能力を遊ばせるのではなく、誰かの価値として提供し対価を得る。そんなビジネスモデルを展開できることが、これからの勝者の条件なのかもしれない。