ビー・ゼン社長日記 vol.4(大型機械の分解図・パーツリスト 中編)

分解図・パーツリストの重要性は前編で書いたとおりだが、ここで先日、去年の11月より進めていたパーツリストが無事納品した事例をご紹介。

依頼内容は、設計図面があり(締結部品や購入品を除く)、新規で描き起こす部品点数が2000を超える機械で、 その他同様な部品を複写して描いた数を足すとかなりの部品点数となる。
その巨大な機械を機能ごとに各パートで振り分けた各々の分解図(部品展開図)も100枚を超える枚数となり、それに対応したリスト(部品価格表)とを制作していく。

まずは組立工場での取材に始まり、部品イラスト制作とその部品イラストに対応する各種文字情報のリスト入力、それらを付合わせてのチェック、その後修正を何度か繰り返しデータ納品、という流れが弊社の業務である。

まさに不景気の真っ只中であり、以前のような価格で制作できるわけではないのは言うまでもないが、去年の11月からという制作期間が長いだけに、価格以上に自社でのノウハウの積み上げと、効率化が求められる仕事となった。

メーカーの立場からすると、いくら部品一点のイラスト制作単価を下げても、膨大な作業量からくる制作費の合計額は大きな負担となる。

ここで、パーツリストでもっとも重要なことは交換・供給部品の特定である。
分解図の枚数がかさばらないようにと多くの部品を一枚のイラストに詰め込んで描いてしまうと、部品が小さくなったり、省力化のあまり部品形状を省略しすぎたり、同形状の部品の数を省いてしまうと、部品の認識がし辛くなる。
そのあたりを注意しながら1ページあたりの部品点数や、イラストの縮尺に気を付けなくてはならない。

そこで、制作にかかる前の打合せで、凝りに凝った緻密なイラストを描いたり、一点づつ仕上げていては効率も悪く費用もより多くかかるので、100枚もの分解図を大量生産できる作業の流れを再度確認し、形状を程よく簡略化しながら部品をイラスト化していく作業によって、圧縮・均一化することとなった。

このような大規模な機械のパーツリストでは、制作途中での部品の見落としが後々小さな手間の積み重ねとなり、結局作業の逆戻りが増えるだけでなく、メーカーの担当者がそのチェックに費やす時間も多くなり、全体で効率の悪さが問題となっていく。

。。。後編に続きます。(福島)