7月23日の数字:手数料収入95%

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手数料メインで収益を稼ぐ画期的な発想の銀行ビジネスモデル。
金融・経済危機でも順調に収益をあげる。

09年3月期決算といえば、軒並みというか、感覚的には日本企業の9割が赤字だったのではないか。金融機関然りなのだが、そんな中で過去最高の純利益をあげた銀行がある。セブン銀行である(日本経済新聞2009年7月22日付朝刊7面)。

この銀行が変わっている。ふつう銀行は、集めた預金を運用して収益をあげる。ところがセブン銀行のビジネスモデルは、通常の銀行モデルとはまったく違う。経常収益のうち95%がATMの手数料収入なのだ。「(セブンイレブンに設置されたセブン銀行の)ATMは他行の預金者がお金を引き出すたびに、平日昼間も1回105円の手数料がかかる(前掲紙)」。

手数料を支払ってでもユーザーは、セブン銀行のATMを使う。なぜなら、ついでに引き出せて便利だから。つまりセブン銀行は銀行といいながら従来の銀行ビジネスモデルではなく、まったく違った収益源ATM手数料によって成り立っている。そして、成り立っているということはユーザーから支持を受けているということ。つまりここには潜在ニーズがあったのだ。

その潜在ニーズとはたぶん「自分が預金している銀行のATMまでわざわざ行くのは面倒だなあ」とか「銀行は駐車場がなかったり、狭かったりするから車で行くのはいやだなあ」といった「不」便、「不」満、「不」具合など。こうした「不」には必ずビジネスチャンスが潜んでいるわけで、その典型的な成功例の一つが、このセブン銀行だと思う。

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