7月22日の数字:2兆ドル突破

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外貨準備高は日本の2倍、そしてGDPも早ければ今年日本を抜く。
巨大化する中国は、日本企業にどんな影響を与えるのか?

中国の外貨準備高が2兆ドルを超えた。今や中国はドル保有で日本の2倍以上、断トツの世界一である。この外貨の多くを中国は米ドル債で運用している。これが今後、日本にどんな影響を及ぼすか。
とりあえず確実なのは、中国とアメリカが経済的緊密度を高めること。いわゆる「百年に一度」の大不況を克服するためにアメリカは、何でもありの経済対策を取っている。そのための原資は国債に頼らざるを得ない。すなわち資金の出し手は中国、というわけだ。だからこそガイトナー財務長官はGM破綻処理の寸前に中国にすっ飛んでいき状況説明をしたのだろう。
方や中国も、これほどまでに米国債を買ってしまったからには、その暴落だけは絶対に避けなければならない。とはいえ米国に対する立場はとても強い。最悪「米国債、売りまっせ!」と脅しをかけることができるからだ。その中国は輸出で経済がまわっており、メインの輸出先はアメリカである。
つまり中国とアメリカはいつの間にか、持ちつ持たれつというか一蓮托生というか、少なくとも経済的にはそんな関係になっている。しかも、基本的にはほぼ対等の立場で。ここで考えておくべきは、アメリカにとっての日本のポジショニングがどう変わるかということ。相対的に重要度が低下することは間違いないだろう。そのとき、オバマ政権が日本に対してどんな要求を突きつけてくるのか。
アメリカへの輸出に頼っている企業は考えておく必要があるはずだ。また中国で競合企業が成長してきている企業も考えておく必要があるだろう。さらに、早ければ今年にも中国がGDPで日本を抜くといわれている。そのこと自体は結果だから大した意味はないが、なぜ、そうなったのかという原因を考えることと、その原因から類推すると未来はどうなるのかをシミュレーションしてみることは必要だ。