第15回BMBインタビュー[ウォルディズ]

Waldis 久世

BMBの新たな活動として21年度より立ち上がった、オープンソース分科会の第1弾!「オープンラズロ実践講座」の講師を務めていただくウォルディズの久世さんに阪南大学サテライトにてインタビューしました。

BMB:さて今回は”オープンラズロ使い”の久世さんにインタビューします。
オープンラズロはRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)を構築するためのプラットフォームと伺っています。
他にもいろいろなRIA構築方法があると思うのですが、なぜ、オープンラズロを選ばれたのでしょうか。

久世:私がWebアプリケーションの開発については素人だったことが大きいですね。
大きな組織のネットワーク環境の統括の仕事などをしていましたが、Webアプリケーション構築の経験はほとんどありませんでした。

オープンラズロは、プログラミングの経験のない私でも簡単にRIAが構築できるのでその魅力にはまってしまいました。
XMLで記述するので、HTMLに慣れていれば非常にスムーズに入っていけるんです。

今では、仕事の割合は、オープンラズロが9、その他が1程度です。
オープンラズロが面白いので、最後にはネットワーク構築関係の仕事は辞めてしまいました(笑)

BMB:そのようなお話をお伺いすると、私たちも一度触ってみようかなあ、という気になりますね。
でも、最初は苦労も多かったのではないですか。


久世:
そうですね、オープンラズロはアメリカ生まれということで最初は日本語での情報がほとんどなくて苦労しました。
でも今は、日本でのコミュニティも立ち上がっていて初めての人でも取り組みやすくなっていると思います。

BMB:日本人のコミュニティがあるんですか。それは心強いですね。


久世:コミュニティは私含めて3人が中心メンバーです。
今、一人が東京、もう一人が石垣島です。

BMB:石垣島ですか!なんだかすごいですねぇ

久世さん
久世:海が好きだかららしいです。
私も好きなロックバンドを24時間やっていたいので、右手にキーボード、左手にドラムのスティックを持ちながらできる今の仕事はすごく自分にあっていますね。時には赤ん坊も。
髪の毛も、会社辞めてから伸ばし続けています。(笑)

BMB:趣味も仕事も一生懸命にできるというのは、うらやましい限りです。
だからこそ、いい仕事もできるんですね。
今後は、オープンラズロの普及をさらに進めていきたいとお考えですか。


久世:そんなに必死に!ということはないんですが、オープンラズロの仲間が増えればうれしいですね。
わからないことがあれば聞いて頂ければ出来る限りお答えしますよ。
Give And Give の精神です。(笑)

BMB:Give And Take じゃないんですね。

久世:お客さんと仕事をする上でのコンセプトはGive And Giveです。
その中で認めてもらえて、ほんの少しTakeさせてもらえればうれしいです。

BMB:Give And Give And Give And Give・・・ってなりそうですね(笑)


久世:それでもいいですよ。(笑)
信頼関係が一番ですから。

BMB:さて、オープンラズロについてもう少し詳しくお伺いしたいのですが、その最大の特徴を挙げるなら何でしょうか。


久世:やはり、一つのソースコードから複数の環境に対応したWebサイトを構築できるマルチランタイム機能ですね。
現在のオープンラズロは、FlashとDHTMLの両方に対応したWebサイトを構築できます。
例えば、利用者の一部がFlashを使えない場合でも、DHTMLでカバーすることができます。
従来はそれぞれ別々にプログラミングしなければならなかったので、
開発効率が格段に向上します。Open Laszlo
産業技術総合研究所の新田さん(中)と竹田さん(右)

BMB:今はブラウザの選択の幅も広がり、ユーザーによって実行可能なRIAも大きく異なりますので、マルチランタイム機能は非常に魅力的ですね。
ただ、例えばFlashとDHTMLで実現できる機能に違いがあると思いますが、その点はどのように対応するのですか。


久世:おっしゃるとおりで、ブラウザ上の一部分を動的に変更するといった単純な機能であれば、
FlashでもDHTMLでも実現できますが、例えば動画を再生する場合はFlashでなければ実現できません。
このような場合は、オープンラズロのプログラムコード上でFlash用にアクションスクリプトを記述することで対応します。

BMB:ありがとうございます。
いろいろなことができそうなオープンラズロですが、利用分野はどのようなものが多いですか。
Flashに対応するので、やはり派手な商品プロモーション用のホームページとかなんでしょうか。

久世さん
久世:それがそうでもなく、生産管理など企業向けの業務システムが多いですね。
HTMLだけで業務システムを構築すると、ユーザーインターフェースの向上に限界があるので、使いやすい入力インターフェースの実現のために使用されることが多いんですよ。
HTMLで入力画面を作るのは、各要素の位置あわせなどで苦労することが多いですよね。
オープンラズロは、XMLに基づく階層構造で記述できますので、入力画面を構成する部品の上下関係の指定や位置決めがすごく簡単なんです。
インタビュアー中西
BMB:あ!、そういうことですか。
XMLの階層構造が画面レイアウトを直感的に把握できると・・。
(通常のプログラミング言語は、順序記述言語なので画面レイアウトを作る目的にはなじまないものがあります。
そのあたりが、画面レイアウトなのになんでアクションスクリプトの順序が必要なんや!と受け入れられなかったあたり、芸術家肌の直感のなせる所以でしょうか)


私もホームページを作ったとき、思い通りの位置に部品が配置できなくて苦労したことがあります。
XMLで階層構造を記述するだけで部品が配置できるのはとても簡単ですね。


久世:そうなんです。
私が顧客現場で、システム開発の打ち合わせをするときは、その場で、入力画面を作って、お客さんにイメージをつかんでもらうんです。
HTMLだとこうはいかないと思います。
関西オープンソース2008
BMB:そうでしたね。昨年11月の関西オープンソース2008でBMBのブースに現れた久世さん。われわれの「こんなんできませんか」という質問を聞くなり、その場でサクサクッとデモを作ってくれました。そのときは、即席のオープンラズロ講習会になってしまいましたね。まるで手品でも見せられているようでした。

そうそう、その後のBMB第8回オフ会
でのオープンラズロで作られたFlashでのプレゼンテーションもあっけにとられてしまいました。

5月15日からBMBオープンソース分科会のOpenLaszloセミナーがいよいよ始まりますが、大変楽しみになってきました。
今日は大変ありがとうございました。


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人生あそんでいますんでそののりでやっていきたい。
常識をちょっぴり外れて一緒にあそびませんか?

久世さんのプロフィール
久世 宏明 ウォルディズ代表
1992年  同志社大学経済学部卒業
1992年~ ワールドビジネスセンター株式会社
2007年  株式会社ネットエイト
2008年  ウォルディズ設立

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