内部品質監査を行います。

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木下です。

 

長い間、ISOのコンサルタントとして伺っている客先で久しぶりに「内部品質監査」を行うことになりました。

ISO取得以前も何度か担当したこともあったのですが取得してからは社内の人達だけで行われていたので久しぶりです。

「社内のメンバーだけで行っていると質問事項が日常業務のことに集中し

マンネリ化してしまうし、年一回の外部監査の時には1日で全ての部署を行うので

あまり深いところまでチェックできていないから。珠にはお願い。」

ということでお願いされました。(^^

 

どんな質問をするかというと・・・

 

個々の業務に付いては何時も行われているので

今回は「4.1 一般要求事項」に付いてだけを集中して行うことにしました。

 

ISO9001:2000年版(JIS Q9001:2000)では

 


4.1一般要求事項

組織は、この規格の要求事項に従って、品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、かつ、維持すること。また、その品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善すること。


と書かれており、その後に


組織は、次の事項を実施すること。

a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織への適用を明確にする。

b)これらのプロセスの順序及び相互関係を明確にする。

c)

・・・


と要求事項が続いています。

ここでISOの要求事項を元にチェックシートを作成していくと


内部監査員:

株式会社〇〇さんでは、「この規格の要求事項に従って、品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、かつ、維持すること。また、その品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善すること。」
が出来ていますか。

対象部署:

はい出来ています。


等という表面上だけの質問と単純な答えだけが返ってしまうことになります。

ここで質問するべきなのは箇条書きされている要求事項のほうで

 

例えば


内部監査員:

組織は、次の事項を実施すること。」となっています。

まず、

「a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織への適用を明確にする。」

は実施されていますか?

対象部署:

はい出来ています。


となります。

次に、「出来ている。」とだけ答えられた場合には


内部監査員:

「どの様に明確にされているのですか?」

対象部署:

業務内容一覧により仕事を明確にし(プロセスの一覧を作成し)

部署別マニュアルによって個々のプロセスの内容を明確にしています。


と続いていきます。

ここで提示された書類は品質文書に該当するものなので

その管理状況を確認することにします。


内部監査員:

「では業務内容一覧を見せてください。

 


で見せてみもらったら

更新日時・頻度をチェックしてその間業務内容の変更が無かったか確認。


内部監査員:

「この1年間で業務内容が更新されていないようですがその間業務の増減は有りませんでしたか?」


といったやり取りが続いていくことになります。

 

このとき、気を付けないといけないのはISOの内部監査や外部監査は

「100点満点で不適合無しを目指す為に事前準備する必要は無い。」

「日頃の管理状況をチェックすることで、仕事の手順の漏れや無駄な書類の流れを見つけ出し

業務内容の効率化、適正化を行う為に利用する。」

ということです。

ISOの監査があるからといって、

事前に「押し忘れの判子を見つけて押して廻る」とか

「作成されていなかった作業手順を急遽作成。」

等を行うと折角の不具合発見の機会を逃してしまうことになり

「ISOはお金と時間が掛かるだけで効果が無い。」

ということになります。

 

私がコンサルタントに伺っている会社では

「別に事前に準備する必要も無いので何時監査に来られてもいいですよ。」

と言われています。

(まあ、仕事の都合で対象になる人が居ないと不味いのである程度日は限定されるのですが)

 

ISOの監査では正直な日常をチェックし改善箇所を見つけ出すことが一番大事なことです。