第1回BMBインタビュー「adoria company」

アドリアカンパニー岩田さん

自らのプライベートブランドを持ち、オーダー家具のネットショップを手がける先鋭的家具デザイナー
adoria company(アドリアカンパニー)代表 岩田浩司さん

BMB事務局では今年度から、BMB会員を訪ねて紹介記事を書く「BMBインタビュー」のコーナーを始めます。
第1回はS-CUBE(株式会社さかい新事業創造センター)に入居されているadoria company(アドリアカンパニー)の岩田さんを訪ねました。

 


―最近の岩田さんのお仕事から話題提供願えませんか?
先日「自由都市・堺 平和貢献賞」のシンボルマークコンペで優勝しました。
平和を基礎として発展した歴史を持つ堺市が、世界の平和に貢献した人を表彰することによりその重要性を発信していこう、ということで「自由都市・堺 平和貢献賞」を創設したんです。
今回の採用は「堺デザイン協会」の開催する指名コンペとして4人の中から選ばれました。

―デザインの意図は?自由都市・堺 平和貢献賞
仁徳陵古墳の形状「前方後円墳」は北を上にした実際の位置なんですけど、「SAKAI」の頭文字「S」で区切ることで白ヌキ部分の「P」を表しました。それに続く文字と合わせ「Peace」と読ませ、古墳から飛び立つ平和のシンボル「鳩」を配置しました。
色は「堺市ブルー」という堺市の指定色でしたから、グラデーションを取り入れて、多色使いのように華やかに見せています。

 

 

 
―このマークは今後どのように活用されていくんですか?
今年、第1回の「自由都市・堺 平和貢献賞」授賞者が7月に決定し10月に授賞式を行なう予定で、堺市のホームページ http://www.city.sakai.osaka.jp/city/info/_jinkenbu/heiwa_index.htmlでも大きく扱われていて、堺のイメージアップに貢献できればと思います。

―それでは本業の家具デザインから何か最近の話題を・・・
大阪日本橋にある商業施設の家具メーカー「株式会社キノシタ」さんの家具ブランド「abord(アボール)」からVol.18カタログが発刊され、その中の家具デザインでお手伝いしました。今回デザイン提供させて頂いたのは、ソファとテーブルが中心です。

―商業家具と一般用の家具の違いは何ですか?
まず高さが違います。商業家具は靴を履いて座るために座面が高くなっています。それから構造上の強度ですね。商業用はかなり高く設定されていて、ウレタンの強度も違いますよ。

―岩田さんは商業家具のデザインが中心なんですか?
そうですね。ホームファニチャーもNet販売などでやってますが、一般的には家具は一生ものなんでなかなか売れませんからね!業務用は3年から5年周期で改装してくれますから・・・。でも、商業家具は問屋さんがお客ですから本当のニーズが分かりにくいんです。だから、Netで小売りをやってユーザーニーズを直接聞けるようにしてるんです。

abord


―このカタログの写真ですが、岩田さんのデザインしたテーブルと他のデザイナーの椅子を合わせていても全然違和感がないですね。


そうなんです。いろんなシーンで、いろんな椅子と組み合わせて使ってもらえるという考え方で、「売れるデザイン」こそが「デザイン」なんです。私が師と仰ぐデザイナー、レイモンド・ローウィの教えでもあります。

―最近の家具のトレンドはどうですか?
ホームファニチャーではマテリアルモダンというテイストの人気が出てきていますね。いわゆる民芸調ではない、最近のモダンな住宅にも合う、日本的で木材など素材的要素を取り入れた家具なんですが、一概にはどんなデザインとは言えなくて、「直線的」とか「美しい弧を描いた」とかいろんなイメージがあるんですけど、家具の全体的な構成と室内空間との調和にまで踏み込んで考えないと答えは出ないですね。
私は空間デザインから建築設計事務所、総合家具メーカーまで一通り経験しましたからそういう点で視野を広く持つことができています。

―本日はお忙しいところどうもありがとうございました。益々のご活躍を期待しています。

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