機械イラスト日記vol.34

今月に入り、いくつか大きな案件が出てきました。
この機械イラスト日記では代表的な例を順にご案内していますが、今日はE社になります。
このE社も専門の機械を製造するメーカー様ですが、今回の機械の規模は今までとは全く違い、ひとつの機械が数メートルに及ぶものです。

機械メーカー様の悩みは、製品が出来てもそれをメンテナンスやアフターサービスを行うためのツールを作る余裕がないということをよく耳にします。
部品展開図はその最たるものといえるでしょう。必要なものなのに、なかなか手をつけることができないというのが実情のようです。

そこで私たちの出番です。
その機械のためのCAD図面だけで段ボール箱が必要なほどの部品点数。これを数十枚の部品展開図にするために効率的な進め方をすることが大きな課題となりました。

機械が大きいために本体そのものを移動することは不可能であり、また撮影取材してもその規模の大きさゆえに全体から各部品ひとつひとつのつながりを見ていくことも難しいものでした。
以前図面のみでの制作を試みたことがありましたが、数百枚にも及ぶ図面から現物や写真なしで展開図を完成させるのは非常に困難を極めました。
そこで弊社ではお客様の組立工場に出向という形をとり、そこで場所をお借りしたうえでその場で展開図制作のための資料作りを行っています。

現場にて図面を広げ、必要なら機械の内部に入ったりしながら、まずはラフスケッチという形で手書きの部品構成図を描き上げます。
この手書きの部品構成図は各々の部品がどのような形で、どのような前後関係でつながっているかが立体的にわかるように描かれており、その後で行う描画アプリケーションでのデジタル化制作では欠かせないものになっています。
その取材とラフスケッチ制作を今回集中しておこない、一気にデジタル化制作にとりかかれるわけです。
またお客様の目の前で作業が進められていくので、安心してお任せいただけるというわけメリットもあります。

確かに工数や制作時間も規模に比例して増えますが、我々の仕事は対象が機械・構造物である限りどんなものでも描き上げることができます。
ですので、描ける描けないという問題ではなく、いかに効率的に、またお客様が安心して任せられる進め方が出来るかということが重要になってきます。(藤田)