第13回 後継塾

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2月1日(金)の午後5時から第13回後継塾が開催されました。

株式会社B&F社長の藤原宏宣氏による講演が行われました。
タイトルは「行動するということ」。

「産業人の使命は貧乏の克服である。その為には、物資の生産に次ぐ生産を以って、富を増大しなければならない」

上記は松下幸之助氏が唱えた有名な『水道哲学』の一節です。
藤原社長はこの一節をモットーとして行動し、結果を出してきました。

藤原社長は2010年に中国で有機野菜を作り、
現地の人向けに宅配をするビジネスを始めました。
途中自然災害により野菜が全滅するアクシデントにも見舞われましたが、
事業は順調に拡大し、
2010年6月から2012年12月末までの2年半の間に
会員は3000人まで伸びました。

中国事業拡大の背景は何か?

品質がいいのか?⇒ズバ抜けていい訳でもない。
立地条件がいいのか?⇒北京や上海といった大消費地から遠い。
安いのか?⇒市価の3~5倍。

ではここまで中国で支持された要因は何か?
それはネット上で実際に作っている畑の様子を公開し、
野菜の安全性に対する不安を解消したからだそうです。
つまり中国において“不足”している食品の安全性を補ったからなのです。


続いて藤原社長はアフリカのギニアに製氷工場を作り、
現地の人に氷を販売するビジネスを始めました。
きっかけは日本で知り合ったギニア人の方に母国で不足しているものを調査してきてもらい、
その結果、電気インフラがないので食品の貯蔵手段が極端に“不足”していることが分かったからだそうです。
実際赤道に近い現地では、
漁師が獲った魚は漁船の中で腐り始め、
水揚げされた魚も道端でハエを払いながら売っている状態だそうです。

実際に製氷工場が稼働してみると
製氷機1台につき1ヶ月約80万円の黒字が出ました。
将来は年間経常利益1億円を目指しているそうです。

(因みに藤原社長の会社は
 ギニアで活動している唯一の日本企業だそうです。
 数年前までは大手商社もいたそうですが、
 ODAが絞られて撤退したそうです。
 現地に根付いて事業を育てるつもりは大手商社にはなかったんですね)

海外における事業展開で結果を出してきた藤原社長。
心掛けてきたのは次の3つ。

「“不足”を見つけ出し、解消する」:
 中国における食品の安全性、ギニアにおける食品の貯蔵手段、
 双方とも“不足”に着目したことがビジネスの出発点でした。

「競争を極力さける」:
 “不足”を求め、強者との消耗戦は避ける。
 その結果アフリカというフロンティアに到達したのでした。

「よいパートナーを見つける」:
 信頼できるパートナーを見つけ、手を組むことが必須です。
 またパートナーにとっても事業を継続することが
 メリットになるようなシステムにすることが大事です。

最後に藤原社長は

「完璧より実行」
「早く失敗して修正を繰り返す」

というマーク・ザッカーバーグの言葉を紹介してくれました。
藤原社長の行動力と軽やかなスタンスは
この言葉に裏打ちされているのだと納得しました。

今回の講演は海外事業に限らず、
新たな事業展開を模索している経営者にとって
とても参考になるものだったと思います。
大変刺激的な時間を過ごさせていただきました。




講演中の藤原社長
 

過去の後継塾の活動の様子はこちら。

レッツ総合事務所HP(活動報告):http://www.netfirm.co.jp/info/