100円ショップ『ダイソー』はどこへ行く?

今日のマーケティングブログは、
100円ショップの雄ダイソーを取り巻く事業環境の変化について。
100円ショップでは日本ナンバーワン企業である同社が、
なぜ海外進出を急ぐのか。その理由を5F分析で考えてみました。

人口6200万人

ミャンマーが注目を集めている。少し前までは軍事独裁政権とアウンサンスーチーさんの対立が注目されていたが、政権側が民主化に大きく舵を切ったことにより、市場としての魅力が高まった。

何しろミャンマーはまだ若い国である。人口もこれからどんどん増える。国民の所得も、海外からの積極亭な投資を受けて、今後伸びることが期待される。国内市場が成熟化してしまった先進諸国からすれば、魅力あふれるマーケットと映る。

そこに100円ショップの雄ダイソーが進出する。大都市ヤンゴンに開いた1号店は盛況だという。「現地企業とのフランチャイズ契約で、価格は1800チャット(約180円均一)。ヤンゴン市内で早期に5店とし、地方都市への展開も目指す(日経MJ新聞2012年4月13日付5面)」。

ダイソーといえば、100円ショップのパイオニアであり、今でも国内ナンバーワン企業である。その登場時のインパクトは強烈だった。とにかくあり得ないものが100円で売られているのだ。個人的には辞書を100円で売っていたことに衝撃を受けた。きちんとした本が100円なのだ。他にもスーパーやコンビニで普通に目にする商品(もちろんそれらの店では100円以上の値札が付いているもの)が、100円である。

ダイソー登場時の業界環境は下記のようになる。




店内に100円以外の品物は一切なく、それでいながら「こういうものはあるかな?」と探せば、ほとんど何でも見つかる、まさに買い物ワンダーランド。ところが、このビジネスモデルは、新規参入が極めて容易だった。ビジネスの要は仕入れにある。要は100円で売っても利益を出せる商品を、どこから仕入れてくるかが勝負なのだ。

仕入先は調べればすぐにわかる。中国である。仕入先さえ見つかれば、後は仕入れ交渉次第で、モノは手に入る。ここで仕入れ先交渉が起こる。ダイソーを取り巻く5Fの中で、売り手の交渉力がまず変化する。売り手からすれば、交渉相手がダイソーしかない段階では、交渉力はゼロに等しい。何しろダイソーほどの莫大な量を一気に発注してくれる相手は、未だかつてなかったのだ。ダイソー様様である。

少々厳しい値段を指値されたとしても、絶対的な売上額の魅力の方がはるかに優っていたはずだ。交渉するのはダイソーではなく売り手の方で、いかに自社製品をダイソーに勝ってもらうかを各社が競っていたはずだ。けれども、売り先の選択肢が増えた時点で、売り手に交渉力が生まれる。同じ売るのであれば、少しでも高く売りたいのは当然の心情だろう。この時点でダイソーの交渉力は、以前と比べれば落ちてくる。



業界内の競争も激しくなる。各社が生き残りをかけて、差別化を打ち出してくる。そうした状況の中でダイソーは、いち早く海外シフトに乗り出した。2009年には22の国と地域に進出し、韓国内に450店出店するなど、現時点で海外は26カ国・587店舗を展開している。

その一環として、今回のミャンマー出店が行われたのだろう。同社の沿革を見ると、今後の期待市場でまだ手を付けていないのが、バングラデシュ、インド、パキスタンといったところだ。が、10年スパンの戦略的思考をするなら、いずれアフリカへの進出も視野に入っているのではないだろうか。


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