ホッかる
iPhoneが変えた世界
- 2012/04/09 08:00
- 投稿者: takebayashi カテゴリ:価値の構造
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これが何を意味するのか。
ユーザーの価値に注目して、その意味を考えてみました。
1億2874万4000件
日本の人口か? と思いきや、さにあらず。2012年3月末時点での携帯電話とPHSの総契約数である(日本経済新聞2012年4月7日付朝刊3面)。ちなみに日本の人口は1億2805万6000人だ(2010年・総務省国勢調査より)。
人口を上回る契約数があるということは、一人一台ではなく、一人で何台ももつ人がいるということだろう。普通なら、人口比でここまで普及してしまった商品の市場は、超成熟市場となる。要するに市場が飽和してしまい、残るのは買い替え需要が耐用年数に応じて生じるだけ。決して新規参入が起こることもなく、何の魅力もない市場となる。はずなのだが………。
ところがイノベーションが世界を変える。製品の価値構造を変える。それに伴い、ブルーオーシャンが生まれる。
フィリップ・コトラー先生のいう価値の3層構造である。名は体を表す。すなわち「携帯電話」は「ケータイ」となり、今や「スマホ」となった。その意味を考えてみよう。
「携帯電話」とは電話である。その中核価値は『通話』だ。これが「ケータイ」となった。つまり「電話」がとれた。中核価値は「通話」から「メール」やiモードなどの「ブラウジング」になった。そして今や「スマホ」である。
iPhoneやアンドロイドをお持ちの方は、ご自分がどんな用途に、それを使っているかを少し振り返っていただければと思う。通話なのか、メールなのか、それ以外の機能なのか。ちなみに今は亡きスティーブ・ジョブズが、この世に初めてiPhoneを紹介したとき、彼はこのマシンを「インターネット接続デバイス」と呼んだ。
携帯電話は、その中核価値を「通話」から「インターネット接続」へと変えることで、新たな市場を切り開いた。中核価値を見直すことで、飽和市場をまったく新しい市場に創り変えることができるのだ。新技術が市場を創造する好例が、iPhoneである。
といえば、勘の良い方はピンと来られているかもしれない。Appleが狙っている、次なる飽和市場はなにか。これから先のテレビで何が起こるのかは、非常に興味深い。そしてスマホが新しい産業構造を創りだしたように、AppleTVもきっと新しい産業構造を創造するだろう。そこを狙っているのはどこだろうか。
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