ラックのたたずまい《機器の耐震固定 from SILOU》

 SILOU=Sanshin IncubationLab in OSAKA UNIV.から

インキュベーションラボの機器の耐震固定例のご紹介。


 阪大に設置している当社のインキュベーションラボの中では、様々機器が使用されています。
上の写真はその内の一つ、乾燥機をワークデスクに載せたところのもの。

3.11の東日本大震災では東北大学をはじめ多くの研究施設が大きなダメージを受けました。
中でも分析機器や情報機器の被害は巨額です。

こういった機器は一台数万円のものから数千万円のものまで多種多様ですが、共通しているのは災害に対する備えがデザイン上なされていないということ。
中には海外製の機器も少なくなく、ヨーロッパや米国東海岸のように地震の少ない地域では地震被害に他する考えは希薄です。
当然、機器のデザインにしても同様です。



この機器は日本製ですが、耐震と言う意味では特別な設計はなされていません。
今回はたまたま装置の下部、つまり足部分にベルトを通せるような箇所があったので、最近流行の「ジェルマット」とベルトを組み合わせてワークベンチの天板に固定したものです。

もちろん、ワークベンチそのものも何かに固定しなければならないので、写真のようにL金具を使用して躯体フレームに固定しています。

実際のところ、どのくらいの地震に有効なのか。
「これで大丈夫ですか?」
と、もし保証を求められても100%大丈夫と言えない所が自然災害の怖さです。

もっと効果的で合理的、デザイン面でも優れた耐震方法を考案していきたいものです。