花粉飛散、昨年の3.8倍

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新しい予防薬も 早めの対策有効

 この春は、花粉症に悩む人にはつらい季節になりそうだ。環境省によると、県内の花粉総飛散量は昨年の約3・8倍と予測される。ただ、飛散開始は平年よりやや遅れ、館林市周辺で2月中旬、そのほかは2月下旬の見込み。新しいタイプの予防薬や治療法もあり、薬局や病院では、早めの対策を勧めている。

 環境省によると、昨夏の猛暑の影響から、県内の観測地点(高崎市)のスギ、ヒノキ科の花粉総飛散量の予測は1平方センチあたり9100個。全国48観測地点中3番目で、例年に比べても約1・25倍と、過去10年で2005年に次いで多い。昨年11月が暖かくて花芽が休眠に入るのが遅くなったのと、今月に気温が低い日が続いたため、飛散開始時期はやや遅れる。

 前橋市の「ドラッグスギ天川原店」では16日からコーナーを設けた。現在は予防薬が中心で、富永寛康店長は「今から飲み始めれば、症状を和らげられる」と勧める。

 同店を経営するスギホールディングスでは、鼻の周りにジェルを塗ってイオンの力で花粉の侵入を防ぎ、マスクの役割を果たす「クリスタルヴェール」(エーザイ)が昨年に引き続き売れ筋になると予測。新しい商品として、薬剤師がいれば、医師の処方箋なしに購入できるようになった成分を含む点鼻スプレーもあるという。

 県内の医院にも患者が訪れ始めている。

 群馬大学付属病院の耳鼻咽喉科の鎌田英男医師によると、同病院では内服薬や点鼻薬といった一般的な治療のほかに、保険適用で有効な治療が行われている。

 その一つは「アルゴンプラズマ凝固法」。アルゴンガスを噴射して電流を流し、鼻の粘膜を焼く。痛みが少なく、手術も5分程で終わるため、近年、普及が進んでいる。手術費は6000~8000円程。

 鍼灸(しんきゅう)による治療も。伊勢崎市の「養気院」では、患者の体調を見極め、様々な部位のツボを組み合わせて刺激する。栗原誠院長は「症状が出てからでも効果はあるが、根本的に治療したいならシーズン前」と話している。