6月3日の数字:サーバ1日133円

  • 投稿者:  
  • 表示回数 1,727

価格を日割りにすれば安く見える。
安さをフックに「誘う」→「使わせる」→「囲い込む」
という手があります。

4P
Product & Price & Promotion:日割り・月割り・囲い込み

とうとうサーバも日雇いの時代である。日雇いというと語弊があるが、要するに1日あたりいくらで貸してくれるわけだ。そのお値段が133円だという(日経産業新聞2010年6月1日付7面)。

これが安いのか、それとも高いのか。単純計算すれば、年間では5万円弱だ。これだけ出せば、メモリ1ギガでディスク容量30ギガのサーバを使うことができる。おもしろいではないか。

1日単位の課金とはいえ、まさか今日契約してサービスを開始し、明日になって「や〜めた」という企業はないだろう。と書いてみて、そういう詐欺的なビジネスも成立しうるのかもしれないと、ふと思ったりした。

それはともかく、日割りで値段を打ち出す作戦は、アリだ。「一日あたりコーヒー一杯で、一生安心です」とアピールする生命保険のCMを見られたこともあるはず。ふ〜ん、毎日コーヒー1杯分のお金で、一生安心なのか。それは安そうだな、と思わせるわけだ。

ここが数字のマジックというか、見せ方の魔術である。仮に一日コーヒー1杯分、300円で入れる保険があるとする。この保険を20年かけ続けるとトータルでいくら払うことになるか。ざっと220万円である。決して安い買い物ではないのだ。

もちろん保険とサーバは違う。スタートアップ企業であれば、できる限りイニシャルコストを抑えたいわけで、そうした企業に対してはサーバを日割り133円で貸してくれるサービスは、訴求力があるはず。133円と言えば缶コーヒー1本である。

しかも、サーバなどというものは、いったん使い始めると、そうそう簡単にチェンジできるモノではない。もちろん切り替えはできるが、いろいろと面倒な手続きを踏まなければならないし、データ量が増えていれば、数時間から二日、三日ぐらいはサービスを止める必要も出てくるだろう。

だから、一度使ってもらえさえすれば、囲い込みできる確率は高くなる。御社のサービス、あるいは商品を日割りや月割りで販売する、あるいはリースするといった発想は、あり得ないだろうか。