10月7日の数字:23.5vs21.9、ネット広告がTV上回る

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ついにネット広告がテレビ広告を出稿費で上回る
そんな時代がやってきました。

イギリスの話である。「英国で今年上半期にインターネット広告の市場規模が、初めてテレビ広告を上回った(日本経済新聞2009年10月5日付朝刊7面)」。

日本でもすでにラジオ、雑誌広告はネットに抜かれている。ただし新聞とテレビの牙城はそう簡単には揺るがないと思われてきた。しかし、マス広告崩壊の時代は意外に近いのかもしれない。

もっともイギリスと日本ではさまざまな条件が違う。だからイギリスでネット広告がテレビを抜いたからといって、すぐに日本もその後追いとなるわけではない。何より日本人のテレビ好きな国民性を考えれば、新聞はともかく(活字離れ激しいし)として、テレビ広告がネットに負けるのは当分先の話となるだろう。

が、逆に考えれば「当分先」には、テレビもネットに抜かれる。みんな、そう思っているのではないだろうか。あるいは、ネットがテレビを凌駕することは、ほぼ確定した未来なのではないだろうか。

今年「1〜6月のネット広告への英企業の支出額は前年同期比で4.6%増えた(前掲紙)」。差分でいえばわずかに5%弱、それだけでネットとテレビがひっくり返ったのだ。推測するにイギリスでは一昨年あたりからネットが広告メディアとしてトップに立つことは既成事実となっていたのだと思われる。

スポンサーサイドからすれば、脱マス広告&ネットシフトはある意味必然的なトレンドだったはずだ。その理由はおそらく三つ、一つにはネット広告は、広告されている商品を必要としている人がみるからだ。二つ目の理由としては、必要としている人がみるからこそ広告効果を極めてクリアに把握できることも大きいだろう。さらに広告コストがケタ違いに安いこともある。

広告代理店の方々が決まり文句のようにおっしゃる「イメージアップに」とか「知名度を高めるために」といった成果の曖昧さは、ネット広告にはない。まして世界的な不況下で削れる経費は少しでもカットしたいのスポンサーサイドの本音だろう。費用対効果が不明な割に巨額の予算が必要となるテレビ広告からネットへのシフトは、どう考えても必然の流れだった。

その先陣を切ったのがイギリスだっただけのことで、この先3年ぐらいの間に広告マーケットは一転する可能性が高い。発展途上のネット広告にはさまざまな手法がある。取り組むなら、早いうちがいい。