9月24日の数字:利用者数前年同月比43%増「価格.com」

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価格は比較するもの。
そんなネット時代の常識を創り出した企業とは?

すさまじい勢いでユーザー数をのばしているのが、価格比較サイト「価格.com」(日本経済新聞2009年9月24日付朝刊1面)。元々はあるメーカーの社員が一人で、パソコン用メモリの店頭販売価格を調べてはこつこつとサイトにアップしていた。

そのサイトが今や月間利用者数1900万人、掲載アイテム数5000万のお化けサイトにふくれあがっている。掲載されているアイテムはパソコン関連にとどまらない。家電製品はもとより「ありとあらゆる」といって良いほどの品揃えとなっている(→ http://kakaku.com/)。

とはいえ、このサイト自身は販売サイトではない。基本的には商品の価格情報と、その商品に関する口コミ情報が掲載されているだけだ。が、これが大きい。そして「価格.com」の何よりの功績(価格を比較されるサイドからすれば功罪といえるかもしれない)は『価格は比較するもの』というネット時代の常識を一般化したことだろう。

そう今や価格は比較するもの、なのだ。ネットを使えばたいていの商品価格は、それこそ一瞬で比較できる。それだけではない。実は「価格.com」成長の最大の要因は、商品に関する豊富な口コミ情報である。良質の口コミこそがユーザーにとって最良の情報になる。そう考えた「価格.com」はサイト開設当初から口コミが集まる仕掛けに工夫を凝らしてきた。

その結果、今や「価格.com」が持つ口コミは総数で1000万件を超えるという。こうした情報をユーザーは簡単に手に入れることができる。改めて言う必要はないのかもしれないが、これがデータがデジタル化されているからこその恩恵であり、ネットがもたらした福音でもある。

ユーザーによる口コミに目をつけて成功している企業には、化粧品の口コミ情報を掲載するサイト「@cosme(アットコスメ)」を展開するアイスタイルがある。ここもすでに700万件を超える化粧品口コミを集めている。この「蓄積された」口コミが、どれだけの破壊力を持つか。そのすさまじいまでの力を認識するか/無視するかが、ネット時代の勝敗を分ける鍵の一つになる。

「価格.com」特集記事
http://www.insightnow.jp/article/4094

「@cosme」特集記事
http://www.insightnow.jp/article/1388