8月1日の数字:最大300Mbpsが開く世界

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いよいよ来年12月、次世代携帯サービスがスタートする。
いまの光ファイバーの3倍もの高速通信をケータイでできるようになるとき、
どんなチャンスが生まれるだろうか

第3・9世代と呼ばれる次世代携帯電話である。「最大」というからにはベストエフォートのことだろうけれど、それでも300Mbpsはすごい。いま家庭に普及しつつある光ファイバーの3倍もの速さになる。

これだと「理論上は音楽CDを1枚1分以内で、2時間の映像も数分でダウンロードすることが可能(日経産業新聞2009年7月31日付7面)」になる。そりゃ、すごい。これはあきらかに閾値を超える速さであり、従って従来のケータイとはまったく違った次元に入ることになる。

早い話が、これまで考えもしなかったケータイのサービスが提供されるようになり、「えっ! そんなことできるんですか」的使い方が可能になるということだ。上記の記事では、携帯電話をシンクライアントとして使うことも可能だろうと、NTT幹部がコメントしている。

これも当然あり得るだろう。そのときケータイはどんな形状をしているのか。インプット/アウトプットデバイスはどうなっているのか。こうしたことを考えることがハード面でのビジネスの種になる。

もう一つハードで見過ごせないのは、それだけの高速通信をバンバンやりとりするようになったときに、電池はどうするのか、という問題もある。ここは単純に『電池』と限定して考えるのではなく『電源供給をどうするか』と幅を広げて考えた方がいいだろう。

もちろんソフト面にもビジネスチャンスはあるはずだ。仮に企業がシンクライアントとしてケータイを使うようになったら、どんなサービスが求められるのか。いの一番に頭に浮かぶのはセキュリティ関連ではないのだろうか。

あるいは上りでも最大75Mbpsも出るのなら、やりとりするデータは基本的に動画になるという選択肢もあり得るだろう。パソコンも含めていま動画関連で欠けているのは、写真を撮るように簡単に動画を撮るためのサービスである。このあたりにもビジネスチャンスはある。

その次世代携帯電話の登場は来年12月、ドコモが世界で初めてサービスをスタートさせる。最後発の予定がauの12年12月。まだまだ準備する時間はある。