7月31日の数字:2年で半数が削減

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国内出張を減らす企業が増えている。
その背景にある環境の変化は何だろうか。

企業が出張費用をカットしている。上場企業を中心にした全国242社のうち53%が「最近2年間に国内出張の費用を削減した」と回答((日経MJ 新聞2009年7月27日付5面)。

経費削減は3K、すなわち広告・交際・交通費からというが、まさにこれを裏付けるようなデータだ。これが以前なら「交通費をけちってコミュニケーションがうまくいかなくなったら、その方が問題だ」とかあるいは「景気の悪いときこそ、競合とは逆張り。どんどん広告を打て」なんてことをいう輩もいた。

が、ITが見事に状況を変えた。今や広告費は大幅にカットしながら、以前よりも効率をアップすることが可能となっている。特にBtoBの分野ではもはや、新聞での企業広告などほとんど意味がないのではないか。ネットをうまく活用すれば、ほとんどピンポイントで狙った相手に情報を届けることができるのだから。

交通費しかり。先日(7月28日)ご紹介したウェブ会議、テレビ会議システムを使えば、少なくとも社内会議のための国内出張は減らせるだろう。ではクライアントとのミーティングはどうか。これもネットをうまく使えれば(相手の情報リテラシーも絡んでくるので一概には言えないが)状況は大きく変わる。

しかもネットを使う場合は、基本的にテキストベースで記録が残るので言った言わない問題が起こるリスクを減らすこともできる。もちろん、どうしても顔をつきあわせて話をすることが必要な場合もあるだろう。そのときは、遠慮せずにやればいいのだ。

いくらバーチャル技術が進化したとはいえ、所詮テレビのフレームの中で伝わる情報量と、リアルに面と向かい合ったときに伝わる情報量には膨大な違いがあることははっきりしている。逆に言えば、それぐらい重要なタイミング以外は、ITを使いこなしてコミュニケートすべきだろう。

で、最後に残った交際費は聖域? あの超収益企業キーエンスには、接待交際という概念がそもそもない。従って接待交際費はゼロ、というかそういう費目がない。一気にそこまで思い切ることは難しいにしても、それぐらいシビアに経費の使い方は見直していいのかもしれない。