7月28日の数字:10年で20倍

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以前に比べれば驚くほど安く導入できるウェブ会議システム。
その使いこなしの巧拙は、企業のコスト構造に大きな影響を与えそう。
ウェブ会議システムの市場は08年度で、前年対比55%増の59億円(日経産業新聞2009年7月6日付9面)。これが10年後には1089億円まで成長する見込みだという(前掲紙)。

ウェブ会議システムとは、テレビ会議システムと似ているようでコストの次元がまったく違う。テレビ会議となると専用の端末を使う必要があり、まずこれが高い。しかもカメラ、端末などは据え置きにする必要があり、そのためのスペースも確保しなければならない。場所代もかかってくるわけだ。

だから、そこそこの規模の企業じゃないとそうは簡単に導入できない。ちなみにお手伝いさせてもらっている企業さんでは立派なシステムを使っておられて、これは確かにかなりリアルだ。これなら十分にテレビ会議になる。

そういえば京都の老舗大手メーカーさんの役員専用フロアには、かなりなスペースで円形にテーブルがセットされたテレビ会議室があった。ここには同時通訳用のブースもあり、これで海外の役員とも会議をするのだという。いや、ご立派である。

が、当然そんなゆとりのない企業の方が多いわけで、そうした企業のために登場したのがウェブ会議システムである。これだとイニシャル45,000円、月額使用料は最大でも月8万弱ときわめてリーズナブルなコストに収まる。パソコンに内蔵のカメラでも使えるし、テレビを見れるケータイならそれでもOKだ。

もちろんテレビ会議システムと比べれば画質は劣る。が、これでも十分に会議は可能だろう。そして年間を通してみるなら交通費削減メリットだけでも十分な恩恵があるはず。会議に移動するメンバーの移動時間コストまで含めて計算すればコストメリットはさらに増える。

知り合いの会社では同じようなことをソニーのプレイステーションと大型液晶モニターを使ってやっていた。これだとプレステ代とモニター代だけだ。もちろんモニターの代わりにパソコンでも代用できる。

リアルに顔を突き合わせて話す方が、当然伝わる情報量は段違いに多い。が、そこは使い分けを考えればよい話で、こうしたバーチャル会議システムをうまく使いこなせるかどうかは、コスト削減に大きく影響するだろう。