7月17日の数字:10万台供給

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自動車パーツ業界に激震
トヨタ自動車とマツダがハイブリッド技術で提携する見通しとなっている。トヨタがハイブリッド車の基幹装置をマツダに供給し、マツダはそれを組み込んでハイブリッド車を製造・販売するというもの。その販売目標が10万台、2013年での数字だ。
雪崩をうったようなハイブリッドシフトである。エコカー関連では、三菱自動車が出したEV(電気自動車)もある。EVに関しては、富士重工からも今年登場する予定だ。こうした自動車のハイブリッド・EVシフトは産業界に激震をもたらすだろう。
エンジン構造が従来の内燃機関からモーターに変わっていく。それがどんな影響を与えるかを考えてみれば良い。エンジンを組み立てるのに必要なさまざまな精密パーツのほとんどが不要になるのだ。パーツがいらなくなるということは、そうしたパーツ製作に関わる機械、工具類などもすべて必要なくなる。特定ではあるが、業界が一つまるまる消滅する感じではないのだろうか。
一方で新たな重要が生まれる。特に注目すべきはレアアース関連だろう。次世代自動車の基幹パーツとなる高性能モーターにはネオジムやジスプロシウムなどのレアアースが欠かせない。ところがネオジムはほぼ100%近くが中国産となっていて、中国はこれを国家的な戦略資源と位置づけている。仮にネオジム代替品の開発に成功すれば、どんなことになるか。物質にはサイズ効果があり、化学的に極めて不活性な金でさえナノレベルまでサイズを小さくすれば、ガンガン化学反応を起こすのだ。ナノテクにはネオジム代替のヒントも潜んでいるのではないだろうか。


続報によれば、トヨタ、マツダともに正式な交渉を否定しているとの話もあるが、水面下ではこうした動きが今後も進むと思う。トヨタにとっては量産効果によるコストダウンは強烈なメリットとなるはずだから。