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第23回BMBインタビュー(株式会社オークマ工塗)
- 2011/02/25 11:00
- 投稿者: nishimura(oidc)
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部品塗装の専業メーカーとして起業し、他社とは一味も二味も違った経営方針を持ち、最近では海外調達部品の問題解決や、塗装コンサルティングに力を入れておられ、塗装プロデューサーの肩書きを持つ大熊重之氏(株式会社オークマ工塗・代表取締役)にお話をお伺いました。
■まず起業について伺います。
父が戦後(1959年)に塗装業を創業(大正塗装)したのが始まりです。当時は需要の多かった黒塗りのミシン塗装を行っており、ハケ塗りしていたようですが、ハケ目を無くすのが職人の技でした。私は、18歳で現場に入り営業や技術開発を経験して現在の株式会社オークマ工塗として2000年5月に創業しました。
■会社名が面白いですね。
株式会社オークマ工塗の工塗は造語です。工業用塗装とコーティングの語呂合わせですね。今ではネット検索で、試作塗装でトップに出てきます。皆さん、塗装で困ってネットで探してこられます。
■試作塗装が売りですか。
試作塗装を謳っていますが、全体の売り上げで見ると5%程度でしょうか。1点1万円から12万程度で請け負っていますが、新規顧客の窓口的な役割を担っていますので、法人向けに行っています。ここから量産につながることもあります。デザイン会社さんも来られます。個人向けをしないのは、BtoBの方が話がスムーズに進むからです。
試作塗装でも効率よく行う仕組みを取っていますので、利益率は高いですよ。受注可能な大きさは、小さいものはねじから大きなものは1m四方まで可能です。
当社の主力は、自動車向け(ナビの枠、カードキーの電池カバー等)です。高級自動車用のため埃・ゴミの付着に厳しい基準がありますが、対応できる設備にしています。
■オークマ工塗さんの強みとは何ですか。
ほこり・ゴミ不良対策向けのクリーンルーム |
だと思います。
■どのような塗装があるのでしょうか。
昔ながらの手吹塗装 |
受注でみると、その8割が金属塗装で後の2割が樹脂塗装ですね。
■各種ある塗装でもオークマ工塗さんの一押し的なものは何でしょう。
カラーカチオン電着塗装 |
水圧転写による塗装 |
特殊外観塗装(一例) |
業界初のカラーカチオン電着塗装があります。またフォトコートといって、好きな写真画像を立体物に、まるで印刷したように塗装ができます。水圧転写といって、簡単に言うと、水面上に墨汁をたらして、紙に転写するのと似ています。
最近では、不可能といわれていたシリコンゴムへの塗装(着色)ができるようになりました。パール・メタリックなどゴム着色ではできない色合いができますので、色展開のバリエーションが増えました。
当社では、一般に難しい塗装を手がけていますが、塗装には、ブレといって原料の色ブレ、製造環境による着色ブレなどが、どうしても生じます。そこを腕(技術)でカバーしています。特に品質には厳しく対応する社内体制をとっています。
■オークマ工塗さんの新しい取組みはありますか。
一つは、「海外調達レスキュー隊」といって、海外からの調達部品の問題解決を図る組織を立ち上げることです。場合によっては現地までいって指導をしようと考えています。そのための人材紹介の免許も取りました。
もう一つは、塗料調色などの教育のスクール化です。これまでも教えていましたが、オーダーメードのセミナーを開催していこうと考えています。これまで培った塗装のノウハウを基に、塗装のコンサルティングやスクールなど、情報を売る方向へとビジネスの舵を切っていこうと考えています。
■ITの活用と効果について教えてください。
新規顧客はほとんどネットからですね。5年前と比較すると、新規顧客は2倍に増えています。ただ、リピート率は低いようです。
タイヤ塗装(ゴム用特殊塗料使用) |
ネットでは、いろいろな素材に塗装したものを積極的に情報発信しています。
今注目しているネット技術は、facebookですね。福井県の企業が熱心と聞いています。ツイッターよりも力を入れようと思います。facebookの良さは、ブログで作れてホームページっぽくなり、個人が明確で安心できることではないでしょうか。これからはfacebookでビジネスがつながっていくと思います。
■BMBへの要望はありますか。
BMBの効果はまだこれからですね。BMBでもfacebookに取り組んでください。
※事務局では試験的に、facebookページを活用している会員向けに、Lite Boxを会員ページに掲載するサービスを始めました。また、「いいね!」を各投稿記事に追加し、その効果検証を行っています。
今回のインタビューは塗装ショールームでお話を伺いました。お客様さんには、このショールームで現物を見ていただきながら最適な提案をされるとのこと。次から次へと新しいことにチャレンジしている大熊社長、益々のご活躍をご期待申し上げます。なおこれらの業績により、2010年度関西IT百選と2010年度大阪府ものづくり優良企業賞を受賞されています。
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