7月13日の数字:8秒速く

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「カイゼン」の威力




医療現場でも、トヨタ流「カイゼン」を取り入れる病院がある。仙台厚生病院だ。同病院ではトヨタ自動車とリクルートグループのコラボレーション企業OJTソリューションズのコンサルを受けて「カイゼン」活動に取り組んだ。
その結果「患者を呼んでからカルテを用意するまでの所要時間はこれまでより8秒短い13秒になった(日経産業新聞2009年7月2日付け18面)」という。たった8秒とあなどるなかれ。仮に一日、1000人の患者さんがあったとしよう。すると一日あたりで8000秒の時間短縮になる。約2時間13分である。これを一年続けると、どうなるか。なんと33日分の時短になる。
あくまでも単純計算ではあるが、この「カイゼン」活動が医師をはじめとするスタッフの負担軽減につながることは想像に難くない。トヨタ流「カイゼン」の真髄は、業務プロセスの徹底的な見直しにある。すなわち、単に無駄な工程を見つけてカットすることが目的ではない。無駄な動きはすなわち品質を落とすことにつながりやすく、従って「カイゼン」は品質向上活動でもあるのだ。
仙台厚生病院では「8月には1日の検査数を前年同月比20%増、医師の超過勤務時間を半減させることを目指している(前掲紙)」そうだ。たかが8秒、されど8秒である。