第13回BMBインタビュー[芳川紙業株式会社]

2009/03/06 15:00
投稿者: nishimura(oidc) カテゴリ:BMBインタビュー
須川さん

「メルフものづくりーダンボール作用点」ブログでおなじみの須川栄司さん、昨年末に親会社の芳川紙業株式会社(川西市)に転籍されました。ダンボール製品の企画開発の現状について上田義章課長さんとともにお話を伺いました。

■ 芳川紙業の取扱商品を教えて下さい
 (上田課長)弊社の主力は「A式(みかん箱)」といわれる定番のダンボールケースが主力ですが、今はダンボール製品が6割、包装資材関連が4割の売り上げになっています。

 

パッケージの設計はいつから始めたのですか
上田課長 (上田課長)それまではほとんど定番の単純なダンボールケースが多かったので、設計といっても手作業で間に合っていました。それが、「内箱」など定番以外の依頼が出てきたため、細かな仕様に対応するためにCAD導入を行いました。
(須川氏)平成8年にそのCADが導入されたのをきっかけに、CAD設計とデザインを担当するようになりました。設計を始めて12~3年経ちますね。これまで「株式会社メルフ」というパッケージの設計・企画開発を専門に行う関連会社で活動していましたが、平成20年末に開発力強化ということで、社内に転籍することになりました。

 

須川さんが入社された当時の貴社はどのような状況でしたか
製品サンプル  平成元年に、定番商品以外に新規事業を立ち上げようということで、「新規事業開拓宣言」を行い、新卒者を採用することになり入社しました。何か新規事業を考えるということで特にノルマはありませんでした。街に出てアイデアのヒントを探す、俗に言う「ぶらぶら社員」でした。その間、市販のパッケージ調査や、CAD・サンプルカッターの導入もあり、独学で設計を勉強し、アイデアを暖めてきました。

 

ダンボールケースはどのように作られるのですか
 定型のダンボールシートを、プリンタースロッターを使って、印刷し、ふた・底部分の切れ目を入れます。次の工程で、一端をのり付けして梱包します。従って、型なし(トムソンを使わず)で生産できます。
プリンタースロッター

ダンボール断面の安全性配慮についてはどうですか
最近では、ダンボールの角をテーパーにするとか、断面で手が切れないような工夫がされています。

 

ダンボールを使った最近の話題の商品はありますか
 元々4年前に通販会社のクリスマス企画として製作し、最近ネットの問い合わせが増えてきたものがあります。それはディスプレイ用のダンボール製クリスマスツリーとダンボールハウス(お菓子の家)です。
このツリーを昨年にリハビリ施設に持ち込んだところ、皆様に非常に喜ばれ礼状を頂きました。

ダンボール製クリスマスツリー ダンボールハウス お菓子の家 ダンボールツリーを使ったディスプレイ(六花亭)


また、昨年には、北海道の三大お土産として有名な「六花亭製菓株式会社」様から多数の注文をいただきお店で使ってもらいました。これは、BMBの記事として紹介しています。六花亭製菓の担当の方がインターネットでいろいろ探していて、たまたま弊社がホームページに載せていた写真が目に留まったとのことです。

―第8回BMBオフ会(12月5日開催)に展示されたものですね
そうです。その折は大・小のツリー展示させていただきました。

 

y-style という社内誌を出されていますね
 2003年に第1号を出して、2006年の12号まで発行しました。社内報として始めましたが、営業ツールとしても利用出来るように新しいパッケージ商品の紹介や情報を掲載しています。ホームページが出来たこともあり、12号で終了いたしました。
-以前から情報発信に対する熱意があったのですね。拝見すると今の「メルフものづくりーダンボール作用点」に共通するものが伺えます。

y-style 社内報表面 y-style 社内報裏面

これまで依頼されてデザインされたパッケージを教えて下さい
 酒造メーカーから、百貨店向けの桐箱に入った一升ビンの中枠の製作依頼を受けました。これが第一号(上記社内報参照)です。y-styleには、このNo.1からNo.60の精密機器パッケージまで紹介しています。    
今後は、パッケージも商品と一緒に使っていただけるものを考えていきたいです。

 

オリジナル商品開発を始めましたね
第一弾は、「あけしめ君」を考えました。「あけしめ君」は、ダンボールケースに書籍や衣服など保管したときに、簡単に開け閉めできる「ダンボールケースふた開閉器」です。

 

あけしめ君 あけしめ君

第二弾は、「ダンボール製正座椅子」です。
私たちは正座をする機会が少なくなっています。たまに法事などで正座をして足がしびれた経験があると思います。この「ダンボール製正座椅子」は、持ち運びが簡単で、ダンボールと板紙で作られているため、価格も安価でエコ商品でもあります。

ダンボール製正座椅子 ダンボール製正座椅子組み立て途中
ダンボール製正座椅子組み立て完了  


オリジナル商品を出すのは、売ることによる様々な経験が勉強になるとのことから始めました。半年に一品は出していく計画です。いずれは、自社ブランドを作って展開したいですね。

 

BMBへの入会のきっかけは

BMBを知ったのが昨年で、新商品企画の相談に産業デザインセンターへ伺ったときです。そのご縁でBMBに入会しました。実は情報発信をしていこうと、2007年10月より、ブログ「メルフのものづくり」を立ち上げていました。入会をきっかけにアドバイスを受け、「メルフものづくりーダンボール作用点」とタイトルも変更し、他のブログとの差別化を図りました。

 

■ 今後の展開は
環境にやさしいといわれるダンボールや紙素材の良さを生かして、私たちの身の回りで誰でも使いやすいような新商品の開発を目指していきます。

 

● CAD装置とサンプルカッターが設置された仕事場には、氏の発想豊かな感性から生み出されたさまざまなサンプルが所狭しと置かれていて、取材陣、これおもしろい、と遅くまで遊んでしまいました。いつも物静かな須川氏ですが、これらのサンプルについて、その思いを熱心に説明して下さいました。今後のご活躍を期待しております。本日はありがとうございました。

タグ:BMBインタビュー 芳川紙業株式会社 ダンボール 段ボール パッケージ メルフものづくり ダンボールの作用点

 

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