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第12回BMBインタビュー[オビタスター株式会社]

2009/02/13 15:00
投稿者: nishimura(oidc) 

オビタスター株式会社代表取締役高畑佳幸氏


ITベンチャーの若き旗手のルーツは滋賀県の長浜にありました。呉服という日本伝統の商売とIT産業の一役を担うベンチャー企業の接点について、オビタスター株式会社代表取締役の高畑佳幸氏に話を伺いました。



■古い歴史があるんですね
もともとは、滋賀県の長浜の商人で、1783年に高畑吉兵衛が設立した回船問屋から始まります。

■1783年というと明治維新の90年も前ですね
まつかわやのれん 長浜には高畑という苗字の家が多く、高畑という地名もあります。
2代目吉次郎の時代に、呉服も扱うようになり、回船問屋と呉服問屋を商っていたことになります。その後、琵琶湖周辺では流通事情もよくなってきて、回船問屋にも限界が見えてきたんでしょうね、回船がなくなり呉服だけが残りました。

■大阪に出てきたのはいつ頃ですか

5代目の吉司(先代)の時代で戦前になります。大阪に出てきたのは、あのあたりの商人としては遅い方ではないでしょうか?
戦争の動乱期を経て、六代目高畑勝が「まつかわや」を創業しました。


■呉服というと高級なイメージがありますが

呉服のまつかわや 呉服というのは、使い回しされてきた歴史があるんです。“さらもん“という新品は確かに高価で一般には手が出ませんでした。そこで、中古市場が発達したんですね。大半の呉服屋さんは、リサイクルを生業としていたといえます。私の子どもの頃までは、仕立て上がりの呉服を扱うことが多く、その後”さらもの”の扱いが増えてきました。

■そういえば、着物は洋服のように体にぴったりという仕立てはしませんからね

そうです。仕立ての糸をほどけば、再利用には非常に柔軟です。布団のカバーから、座布団、そして最後に、赤ちゃんの“おしめ“として使うまで利用されつくしていました。
また、“さらもん”でも製造原価としてはそれほど高価なものでもないんですよ。

■安く販売されていたのですか
呉服を説明する高畑氏 先代から庶民派呉服店を目指していましたから、どこよりも安く仕入れて、ごまかしのない商売を心がけました。そのためには、リスクが高いですが現金仕入れに徹しました。掛け率を低く抑えるために営業マンを置かず店舗のみで、口コミで広げようとしました。おかげさまで安く仕入れるノウハウが蓄積され、リピーターが増えてきました。
この商売の仕方がベースとなり、インターネット上での展開に結びついたともいえます。

■それで楽天に出品されたのですね
 楽天さんに出品させていただいたのが7年前(2002年4月)で、楽天が始まって1年くらい経った頃でしょうか。当初、「着物は売れない」と言われました。しかし、営業ツールとしてインターネットを使おうと思いました。着物〔反物〕ってなかなか重いので、カタログ代わりに使いたかったんです。始めたら面白く、1か月に1回くらいはデザインなど変更していましたね。また、店長の声として、大阪の天気の様子を紹介するなど、いつもページに変化があるようにしていました。

■へー、いまのブログのはしりをされていたのですね
 2週間くらいで第1号の注文が網走から入ったときは感激しました。

■網走って、また遠いところからですね
 そうでもないですよ。当店は良い品物が安価に手に入るということで業界では有名でしたから、店にも遠方の方が良く来られます。

■それから順調に売り上げが伸びていったのですか
まつかわやの店舗 2ヶ月で100万ほどの売り上げがあり、3ヶ月で500万、半年後にはトータルで1億くらいになったと思います。これが評価されて、2003年1月に「楽天市場2002新人賞」を頂きました。
ただ、1日に50から60件、最高では浴衣で400件ありましたから、配送作業が人手もかかるようになってきました。当時は現在の翌日配送と違い1週間配送でしたが、それでも朝の5時まで配送にかかっていました。その配送送付書を手書きで行っていたのですが、そこを自動化したいと思って自分たちでシステム開発に取り掛かかりました。

■外注しなかったのですか
いろいろやりたいことがあったのと、その当時いろんなシステムも大変高かったので、人を雇用してやりたいと思ったのです。当時ショッピングサイトを外注すると、安くても500万ぐらいかかりました。それやったら雇って作ろうと思いました。

■なるほど、そこでオビタスターを設立したのですね
オビタスターという屋号自体は以前からあったものです。オビタスターの由来は父がエジプトへ旅行に行ったとき、夢で【尾毘田星】とロゴが出てきたそうです。事業展開するに当たって、その名前を再利用したということでしょうか。これが4年前で、自社の販売サイト「オンラインきもの見本市」をオープンしました。オビタスターロゴ

■それが今のサーバレンタルなどに展開して行ったのは?
着物のネット販売ということで注目を浴び、いろんなところで話をするようにもなりました。そしたら、同じような仕組みで作ってほしいという依頼が来るようになって、サイト開発を受託するようになって行ったのです。
自社サイトだけだとどうしても厳しさがないというか、その評価が見えにくくなります。着物以外の他の分野を手がけることで、ネットショッピングのプロフェッショナルな技術蓄積になります。そしたら、そのサイトを動かすサーバもということで、サーバレンタル事業などに展開していきました。
ただし、一般向けのホームページのためのサーバではなく、CMS専用のサイト用に特化しています。データベースやPHP,CGIを使用したサイトのパフォーマンスを出せるようにチューニングしています。

■さまざまなオープンソースの支援を行っていますが
何せ、市販のショッピングサイトパッケージは高価でした。そこでZenCartというすばらしいオープンソースのプログラムに出会って、これを推し進めて行きたいと思いました。
オープンソースのすばらしいのは、ただプログラムが安価に使用できるだけでなく、いろんな優秀な人材と出会えることにあります。当社も、ZenCartやXoops,Geeeklogなどを通して、多くの協力スタッフにめぐり合うことができました。

 呉服問屋からインターネットへと、全くつながりがないと思われた事業展開ですが、日々創意工夫していく中で自然に広がっていったことに感心しました。本日はどうもありがとうございました。今後の活躍を期待します。

タグ:BMBインタビュー オビタスター株式会社 きもの CMS レンタルサーバ
 

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