投稿者: kawamoto(oidc) 2019/01/30 15:00
去る1月17日(木)、関西大学梅田キャンパスにて開催された「ORIST技術交流セミナー・ビジネスマッチングブログ(BMB)第43回勉強会 AI活用「成功」の方程式 〜AI活用最前線と人材育成〜」は、142名の参加者を得て盛大に催されました。
非常に有意義な話でしたので、当日の内容を2回に分けて報告いたします。
1部:対談 「Microsoft Azureの今」と「AI活用が出来るビジネス人材とは」
セミナーの開催に当たり、会場の皆さんにAIのレベル感を聞いてみたところ・・・
という結果でした。昨年のBMB勉強会の時と比較すると巷のAI習熟度が上がってきている様に感じました。
まず、吉崎さん(キカガク)から会話ができるレベルになるために必要なAIの知識の説明がありました。最初に押さえておくべきポイントとして、人工知能とは人間の機能をコンピュータで再現するためのプロセスであり、目(画像)・耳(音声)・言葉(自然言語)などに関する処理を数値に置き換え、「推論」と「学習」のプロセスを経てより正確に効率よく答えを導き出すための学問(研究)だということです。
また、コンピュータへの入力(質問)に相当する部分と出力(答え)に相当する部分の規則性を見つける概念を機械学習と言います。さらに、機械学習を実行させるための方法(手順)には様々な手法があり、その一つがディープラーニングというアルゴリズムになります。
つまり、順序で表すと、人工知能(AI)>機械学習>ディープラーニングとなります。これからAIを学ぼうという方は第一歩として画像、音声、時系列、自然言語などのキーワードを調べていくとよいという話でした。
次に廣野さん(日本マイクロソフト)からAIで成果を上げている事例の詳しい紹介が4件ほどありました。
講演全体の中でAIブームの背景と技術の推移としての、実務に関する話がいくつかありましたので、ここで主なトピックをまとめておきます。
第三次AIブームでは、画像の領域(東京電力パワーグリッド[*1] の送電線画像診断やPaintsChainer[*2] の線画自動着色サービス)と、自然言語(マネックス証券[*3] の文書校正ツール)など、曖昧にしか評価できなかったものがディープラーニングのおかげで特徴を捉えやすくなってきており、これまでは数値データしか扱えなかったものが、もやっとした人間の感性というようなものも捉えられるようになってきました。
また、第三次AIブームでは中小企業を含めビジネスサイドの方でも組める(ゑびや[*4] の顧客属性と入店率の分析)のようなAI導入例が増えてきています。
2018年前半までは活用の段階に着手できるのはSEだけだったのが、2018年後半から状況がガラリと変わってきました。
まず、エンジニアサイドからはAutoML[*5] という技術が出てきました。それまで担当する人間のノウハウを総動員していかなければいけなかったものが、機械学習のアルゴリズムを作ることを機械学習でしますというAIエンジニアを機械学習で代替できるところまで進化しました。
ビジネスサイドの方もかなり大きく変わりました。AIの民主化と呼んでいますが、GUIでプログラミングしなくてもAIのモデルを作れますよというのが出てきました(Azure Machine Learning Studio[*6] )。モデルを作るのもマウス操作で出来る、それからデプロイと呼ばれる、推論に持っていくところもボタン1つでできてしまう。それからBIツールとAIの連携が始まってきて簡単に可視化もできるみたいな、ビジネスサイドの方もノンプログラミングで出来るところが一気に花を咲かせてきました。
つまり学習から推論までこれまで個別に行っていたことがシームレスでできるようになったというのが2018年の後半です。
2019年の予想は、ビジネスサイドとエンジニアサイドで学ぶべき項目が分担できるようになることがトレンドになる。エンジニアにはデータサイエンス、機械学習、アプリケーションこの辺りを勉強していただき、ビジネスサイドの方はAI特有のビジネスモデルの構築とか投資対効果(ROI)の算出の仕方とか、データセットの所有権の問題など契約書の法律周りのことも知っておかなければならないということがポイントです。
その他、第一部のトピックとしては・・・
といったものがありました。
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