ものづくり支援課からお届けする、ものづくり企業訪問リポート第5弾は、歯ブラシをはじめとしたデンタルケア用品を作っている大平工業株式会社の工場を見学させていただきました。
生産本部工場長の佐々木さんに工場を案内していただきました。
■最新の設備が導入された工場
工場では、歯ブラシと歯間ブラシの植毛の工程を拝見させていただきました。工場内は通路が広く、窓が大きく取られていたので、明るい印象を受けました。
歯ブラシの柄の先に、用毛をアンカー(平線)で打ち込む植毛は、最新の海外製の自動植毛機によって全自動で行われていました。また、製品の強度検査は、自社の厳しい製品規格で行われていました。
本社工場では歯ブラシを月間150~170万本、歯間ブラシは月間3~400万本ほど生産しているそうです。
■清潔な工場と環境に配慮した経営
工場は清掃が行き届いており、ほこりひとつありませんでした。歯ブラシは直接、口に入るものなので、清掃と衛生管理には特に気をつけているそうです。また、毎月1日を「防火の日」とし、社員が工場内のコンセント周りの清掃などを行っています。
大平工業は2006年にISO14001を取得し、環境に配慮した経営を行っています。さらに、2008年に発行されるISO26000の業界初の取得を目指しています。
※ISO26000…ISO(国際標準化機構)によって定められた企業や組織の社会的責任(CSR)に関する国際ガイダンス規格。
■シェアNO.1の実力
大平工業(ジャックス)は自社の「デンタルプロ」ブランドで、歯ブラシの他に、歯間ブラシや舌ブラシも販売しています。特に、歯間ブラシはシェア業界NO.1を誇っています。
また、首都圏を中心に売り上げを伸ばし、近年の黒ブームの火付け役になったブラックハブラシは、プラチナコロイドセラミックス入りの特殊用毛を使い、歯垢除去に効果があります。
■今後の展開について
会長の佐野さんによると、「今後は、製品開発に力を入れ、歯ブラシとして機能的なものや、若い人向けの製品を作りたい。また、欧米のような高品質・高価格帯の歯ブラシも作りたい。
そして、プラスチックの使用量を減らし、環境に配慮したエコハブラシを作っていきたい。」とのことでした。
業界の現状に甘んずることなく、挑戦し続ける姿勢は他の企業の手本となると思いました。今後の活躍が期待される企業です。
【企業概要】
企業名 大平工業 株式会社
代表者名 取締役社長 佐野 晃
所在地 〒581-0038 大阪府八尾市若林町2丁目58番地
設立 昭和27年2月
事業内容 ハブラシ、歯間ブラシ、デンタルケア用品、口腔衛生品等の製造
TEL 072-920-3125(代表)
FAX 072-920-6075
【記事担当】
大阪府商工労働部商工振興室ものづくり支援課
製造業振興グループ インターンシップ生 富岡