『グッバイ・サラ』 ――― 児玉 美津江

[*1]
サラはまだ10歳になったばかりであった。
僕がサラに初めて会ったのは、5月の終わり頃だった。
木漏れ日がチラチラ揺れる病院の待合室で、サラは両親の後ろに隠れるようにしてこ
ちらをじっと見つめていた。
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文創りのエチュード第3話 『グッバイ・サラ』/児玉美津江さん作 七夕大麗紙×フィクション[*2]
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