投稿者: nozaki 2010/06/21 13:00
オイルテンパー線の語源は英語のOil Tempered WireあるいはOil Tempered Steel SpringWireに由来するものです。オイルテンパー線は冷間加工により所定の線径とした線を連続走行式の炉で焼入焼戻し処理をして諸規格の機械的性質を持たせた線で、ピアノ線、硬銅線と異なり、炭素鋼のみならず低合金鋼も使用できるところに特徴があります。また、全長にわたり特性が均一で、真直性が良いこと、降伏点 (0.2%耐力)および弾性限が高いこと、耐熱性、耐へたり性が優れており、6.Omm以上の線径の線についても高い強度の線が得られるといった特性があります。近年では焼入れの冷却媒体に語源の油だけでなく、水あるいは水溶性ポリマーを用いられることもありますが、得られる組織は基本的には同じなのでオイルテンパー線として扱って良いとされています。オイルテンパー線の引張試験による荷重一伸び線図をピアノ線、ステンレス鋼線と比較した例を下図に示す。オイルテンパー線は他の鋼線に比較して0.2%耐力および弾性限が大きい。

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