か行のコラム 第2話  企業が幸せになる、四つのサムシング。

  • 投稿者:  
  • 表示回数 537

西洋には四つのサムシング(Something four)を身につけて嫁ぐ花嫁は幸せになれる、という言い伝えがあるそうです。一つ目のサムシングはSomething oldで、何か古いものを指します。母親から譲り受けたネックレスやイアリングなどがこれに当たります。二つ目のサムシングはSomething newで、何か新しいものを指します。新しく用意したウェディングシューズや長手袋などがそれです。

三つ目のサムシングはSomething  borrowed、何か借りたもののことで、すでに幸せな結婚生活を送っている人から借りるリングピローやハンカチなどがこれに該当します。そして、四つ目のサムシングはSomething blueで、何か青いものを指します。ヘアアクセサリーや青い花のブーケなどがこれに当たるようです。


これら四つのサムシング、いわゆるサムシング・フォーがあることを知ったのは、もう20年以上前のことですが、最近になって、ふと思いました。これって、企業にも当てはまるのではないか、と。四つのサムシングを持つ企業は「幸せになれる」、つまり「発展する」のではないか、と。そこで、一つひとつ当てはめてみることにしました。


一つ目のサムシングSomething oldは、何か古いものなので、企業にとっての歴史、伝統、歩んできた道のり、そこで培われた強みなどが該当すると思いました。起業したばかりの人の会社は生まれたてなので会社としての歩みはありませんが、その起業家も一人の人間として人生を歩んで来ているので、自身の強みや長所はあるはずです。


二つ目のサムシングSomething newは、何か新しいものなので、会社がめざしている将来像(ビジョン)や目標など、今のことではなくこれから先のことがこれに当たると思いました。思い描く理想の姿を言葉で表したスローガンもその一つです。


三つ目のサムシングSomething borrowedは、何か借りたものなので、力を貸してくれる仲間や協力者と考えることができます。社員や取引先、株主などのステークホルダー(利害関係者)がこれに当たります。


そして四つ目のサムシングSomething blueは、何か青いもの。元々、花嫁のサムシング・フォーのblueは、聖母マリアのシンボルカラーに由来しているともいわれていますが、私はblueを一つの色として捉えて「その会社のカラー(企業色)」と考えてみました。一般的には企業色(コーポレートカラー)といえば会社のロゴタイプやマークなどで使われているシンボルカラーを指しますが、ここでいうカラーは会社の社風や企業文化、つまり「その会社らしさ」のことです。企業理念や行動指針、会社としてのブランド価値などもこれに当たると思います。


このように四つのサムシング、「強み」「ビジョン」「協力者」そして「その会社らしさ」があれば、会社は発展する可能性が高くなる、と思ったわけです。もし、どれかが無いのなら作ればいいし、あるのならもっと磨いたり増やしたりすればいい。「強みを磨く」「ビジョンを描く」「協力者を増やす」「“らしさ”を大事にする」。これらによって、企業はさらなる高みへと導かれることになるでしょう。

 

今回は、西洋の言い伝え“サムシング・フォー”というものを花嫁から企業に対象を置き換えて考えてみましたが、これと同様に私たちの周りにはあまりにも一般的で気にも留めないものだけど、アレンジ次第で本来とは異なった使い方ができる法則や公式があるはずです。それらが見つけられたら、また、この「か行のコラム」でお目にかけたいと思っています。