新聞紙を上手に「たたみ読み」できる人々がいました

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オフィスしのも 新聞紙 切り抜き スクラップ 電車内 折りたたみ

10年前まで 新聞の切抜きをスクラップしていたお話をして以来 不規則ながら また気になった記事を 切り抜くことがあります。

日本経済新聞のコラム「美の十選」では あらゆる分野の専門家が日替わりで10日間 1作品ずつ選出して解説を行います。それぞれの選者が異なる角度から同一の絵画作品を選んでいることがあります。稀に1ヶ月という短期間に 同じ作品のそれにまつわる別の世界を知ることもあります。そのことも面白い。

切り抜いたり 見逃したり 規則化しないまま。切り抜いたからには やはり手にとって何度も眺めます。読みものなのに どうもこの紙質と印刷の質感が好きなもので。

それが新聞の一部だったことに注目していると
朝一番とにかく新しいニュースにかじりついて
全ページに隈なく目を通すという新聞本来の需要スタイルがあって
インターネット時代到来前には
切り抜いたり コピーをとったり マーカー線を引き
朝礼で引用した人もいただろうと思い出します。

そしてほとんどの紙面はその後 再生可能資源古紙として回収される新聞紙。回収用に積み重ねてゆきますが 揃えてたたんでいないとまとまりなく不恰好ですね。

全ページ隈なく読む人々。
昭和の通勤通学電車を思い出します。
当時は若かった私からすれば サラリーマンのおじさんが多かったでしょうか。
新聞を読む人が几帳面なのか
電車で読むという行為がそうさせるのか
座席で隣の方に迷惑をかけないように
4つに 8つにと縦長に紙面を折りたたみ 自らの肩幅以内に狭めながら読む様は 潔癖なまでに完成されていました。
バサバサに新聞紙を折りたたむ読者を車内で見ることはありませんでした。

丁寧に折り進めることで 次の頁もまたその次の頁も読みやすくなります。
あの妙技ができる人類がいなくなってゆくのだな と
新聞を切り抜きながら思いました。

_____________ しのもスタッフ