がんばれるか、日本の製造業

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とある精密部品を中国で製作してみました。
少し前までは、中国では出来なかったものが、簡単に安くしかも早くできるようになっています。
今のところ、価格競争では不利な日本の部品加工メーカーが、それを踏まえてどうするかを考えなくてはいけない今日ころのごろ・・・

先日、ある精密加工部品をユーザー様より見積もりの依頼を受けたのですが、当社畑違いのため、商社を通して部品メーカーに見積もり依頼をかけたのですが、3社NGで1社が途中まで加工可という案件がありました。

少し知っている、中国の精密部品加工メーカーにひさしぶりに見積もりを依頼をかけたら、加工可。

日本のメーカーがNGを出したので、心配になり「本当につくれる?」と確認をいれたところ、「問題なしです」(日本では、出来ないとう回答が多かったことは、伏せました。なんとなく、日本出来ないというのが、しゃくだったので・・・)

再度、商社に相談をかけ、ようやく見つかり@4万円台。

実は中国での値段は@2000円台

で、試験的に中国でサンプル作成かけ、UPした品物を確認したところ、
全数データつきサンプル(これだけでも、価値ありとユーザー)で問題なしの評価。

各メーカーが現地製品、現地製作、現地調達の流れの中、中国の部品メーカーが国内のユーザー相手だけではなく、周辺の企業相手にも、ある意味見習わなければならないほど営業活動をしており、

上記サンプルを町の製造業の社長に見せたところ、
「こんなのを、こんな値段で簡単に入ってきたら、町工場全て終わりやね」
とのこと。

小生の立場としては、難しいところですが、「やたら、安くしろ、安くしろ」というユーザーの声と会社としての利潤を考えると、弊社がやらなくても、どこかが輸入販売を開始するのは目に見えてきておる状態です。

実際、商社も上記サンプルを持ち帰り、検討する流れで、日本の企業をまもるのか、会社の存続をとるのか難しい判断をせまられる企業さんも増えるでしょう。

ただ、小生の考えとしては
冷たい言い方をすれば、100円ショップ等のワンコイン屋にうれしがって物買っている多くの日本人がいると思いますが、そのほとんどが中国等の海外の安いところでつくられているという現状に目をつむり、

そのショップで作られている”物”のために多くの日本の企業が大打撃をうけてた事実もあるのに対し、
機械部品だけが、逃れれるとは到底思えないと考えております。

日本の産業のメインが”製造”だから、ある程度過保護にしないといけないという論議もわかりますが、
グローバルで働いている人たちを話すると、「そんなことばかり言っていたら、世界で取り残されるよ。実際、すでに取り残されつつある場面も多く見受けられるけどね」
とのこと。

中国の含め周辺のアジア諸国の物価上昇で、日本と値段が変わらなくなるかのが先か、品質の良いやすいものがどんどん入ってくるのが先か難しい判断を迫られると思います。