トルコの中小企業コンサルタント制度構築プロジェクト来日

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今月初旬のこと、トルコの中小企業コンサルタント制度構築プロジェクトの方々に、日本の中小企業診断士制度や診断士の活動について、ご説明する機会がありました。メンバーは、6名。年代は30代前半~50代前半。男女比は3:3です。(日本では、まだまだ珍しいケースです。何せ診断士の女性比率は、ひと桁ですから‥)

同じような取組みは、これまでのブログでも「国際交流」として何度かご紹介していますが、今回は、トルコの方だけが、しかもプロジェクトとして、みっちり研究に来られるということで、いつもより内容の濃い時間となりました。(写真をとるのも忘れるくらいでした^ー^;)
私自身は、トルコに行ったことがなく、「飛んでイスタンブール」を思い出すくらいの乏しい知識しかなかったのですが、直前に勉強した資料によると、トルコは、
・製造業だけで30万を超える中小企業(定義は従業員数250名未満)があり、日本よりも数が多いこと
・日本と同じように、全体の99%以上が中小企業であること
・業種別では、繊維・衣料品、家具、木製品などの企業数が多いこと
・一方、売上高や付加価値額では、輸送機器(自動車関連)、機械、金属などの業種が比率が高くなること
・GDPは世界17位くらいだが、1人当りGDPでは57位と低くなること・・・
で、中小企業の支援に対するニーズは、大きのではないかと感じられます。

さて、当日は、我々が事前に準備した資料(スライド)で説明した後に、
・診断士にはどんな人がなるのか(試験制度だけでなく、学歴や職業・キャリアも含めて。これは結構どの国からも質問されることが多いです。人種、宗教、身分、政府のあり方…各国の事情を反映しています)
・実際に活動している診断士はどのくらいいるのか(「独立診断士」と「企業内診断士」の違いをを理解していただくのは、結構難しいです)
・資格の更新方法や診断協会の役割について
・仕事の内容について(特に、企業間連携やマッチングに興味津々の様子でした)
・診断士にコンサルティングを依頼する手続きやフィーはどうなっているのか(政策との関連や税金との関係も含めて)
・コンサルティングの評価、また、トラブルに対しては、どう対応しているのか(誰があるいはどこが責任を取るのか)
など、つっこんだ質問が矢継ぎ早に出て、たいへん意義深い時間となりました。


上記の質問にどう回答したかは、皆さん、想像してみてください。


我々の個人や組織のWEBサイトでも、制度や事例の紹介はできるのですが、トルコ語のページはおろか、英語のページを持っていることもマレ(診断協会本部サイトのみ)な状況で、いかに、普段の私たちが国内(もしくは日本語圏内)だけをターゲットに仕事しているのか、ということを思い知らされます。

そんな中でも、写真を見せての説明、図と数値を活用しての説明は、共通の理解が得やすく、また、通訳の方も内容を理解した上で訳しやすかったようです。

おまけですが、私が覚えた、トルコ語
KOBI = 中小企業
したがって KOBI SHINDANNSHI =中小企業診断士(なんと!)
idari =経営もしくは管理人


東日本大震災と原発事故の影響で、当初の予定よりは遅れたようですが、来日されたプロジェクトメンバーに感謝するとともに、トルコに帰国後のご活躍をお祈りしたいと思います。