【サポート行政書士法人】専門家として大切なこと

   宮本です。
 
昨日、行政書士の倫理研修に参加しました。
定期的に受けなければいけない義務研修で期限ギリギリで受講したのですが(苦笑)、行政書士の義務において倫理感は本当に大切です。

 

この倫理は、世間一般の誰にでもあてはまるもののことではなく、“専門家として”の倫理=職業倫理です。

研修では、職業倫理が求められる根拠として、
①専門性ゆえに、高度な「期待」と「信頼」を確保するため。
②専門性ゆえに、高度な「裁量」の適切な行使のため。
が挙げられていました。

P.F.ドラッガーの著書『マネジメント』で“プロフェッショナルの倫理”について述べてる箇所があります。読んだときに、それまで仕事を通して意識するようになっていたことが述べられていて、『やっぱり』と再認識した部分です。

“顧客に対して、必ずよい結果をもたらすと約束することはできない。最善を尽くすことしかできない。しかし、知りながら害をなすことはしないとの約束はしなければならない。(中略)プロたるものは自立性を持たなければならない。顧客によって、支配、監督、指揮されてはならない。また、自らの知識と判断が自らの決定となって表れるという意味においては、私的な存在でなければならない。
しかし、同時に、自らの私的な利害によってではなく、公的な利害によって動くことこそ、彼に与えられる自立性の基礎であり根拠である。(中略)依頼人の利害によって制限されているという意味において、公的である。”

まさに、その通りです。

これは、小関さんがブログで書いていた“行政書士としてのブレない軸、スタンス”にむつながることだと思います。

私達は、顧客からの高度な期待と信頼のもとに業務を行い、その業務を行う上で、高度な裁量が求められます。
顧客の利益のために最善を尽くします。

しかし、これは顧客の言いなりになることではないですし、顧客の(感情的な)気分を良くすることが目的ではありません。
顧客の考えの下にその手足となることではありません。
顧客によって支配・監督・指揮されてはならないのです。
そういう意味では、自立してること、顧客との一定の距離感が重要です。
ただし、私的な利害(私の個人的利害)ではなく、依頼人の利害、社会的利害によって判断しなければなりません。

この判断をする基準をしっかり持てるかどうかが、プロとして、行政書士として重要です。
もちろん、根底は法律がベースになりますが、条文は限られた文言で表されており、具体的な様々ケースの対処が示されているわけでもなく、解釈も異なってきたりします。

どの立ち位置に立つかで判断基準が変わってしまいます。
私自身も、広い視野で、客観的視点に立つことを心掛けています。

でも、(昨日の研修でも言われていましたが、)抽象的には理解しているこのことが日々の具体的な業務の中で落とし込めていないことが多々あるのも実状です。

日常的な義務の中では、視野が狭くなり、目先のことで判断しがちになります。

時間の使い方、報酬の決め方、顧客とのやり取りなど、私的利害(プライベートが暇だから後でゆっくりしよう、説明が上手くできない、よく思われたい、厳しいことを言いたくない等)で判断してしまう。

例えば、時間の使い方で最近思うのは、8時間の勤務時間は私の時間ではないことは勿論のこと、全顧客の時間であること。

同じ額の報酬で受けたAさんとBさんに使う時間は同じでなければなりません。業務の中で色んなことを頼んでくるAさんのために、Bさんの時間を使うことは公平ではありません。

 

判断基準、立ち位置を誤ると、顧客の利益のために行ったことが他の顧客の不利益になってしまいます。

 
自分が経験実感してきたことも踏まえ、新メンバーに一番伝えたいことです。
 
私自身、日々の細々とした場面でしっかり“行政書士としての軸、スタンス”を持つことを深めていきたいと思います。