9月17日の数字:不良品発生率3%→0.7%に

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22期連続、増収増益の秘密とは?
22期連続で増収増益。リーマン・ショックも何のその、それどころか
1987年以来の増収増益ということは、バブル崩壊の荒波さえ何の影響も
及ぼさなかった。そんなお化け企業が日本にはある。

ニトリという。家具やインテリア用品を製造販売している北海道に本拠を置く企業である。家具、インテリア用品をユニクロ方式で展開しているといえば、わかりやすいのかもしれない。自社で製造から販売までを一貫して手がける。このやり方が消費者ニーズに対応した製品を、タイムリーにかつ低コストで展開できる理由だろう。

製造は基本的に海外である。当初、インドネシアに開設した工場は今、ベトナムにある。このベトナム工場であるカイゼンを取り入れた結果が、劇的な不良品発生率の改善につながった。

何をしたのか。ホンダから「品質管理の神様」と呼ばれた人材をスカウトし、生産ラインの徹底的な見直しをした。なかでも「従業員には言葉や文字ではなく、資格に訴えるようにした(日経産業新聞2009年9月17日付18面)」のだ。

相手はベトナム人だ。当然、日本語を理解する人はまずいない。そこで普通なら工場内の作業用語をベトナム語にするところ、同社はあえて日本語のローマ字表示とした。そしてビジュアル表示も併用する。

「生産現場で働く社員には、役割に応じて色を変えた帽子をかぶらせている。(中略・これは)社員に責任感を持たせて工場内の規律を保つ狙いがある(前掲紙)」。ここでもビジュアル効果がうまく使われている。

例えば「立ち入り禁止」を表す看板があったとしよう。そこに文字だけで「立ち入り禁止」と書かれている場合と、人が歩いているイラストに×印などが記されたイラストも併記されている場合では、どちらが一目でわかりやすいか。といえば、文字通り一目瞭然。ビジュアル『も』使っている方が理解されやすい。

もとよりニトリの不良品発生率改善には、ほかにも様々な工夫がなされている。とはいえ、根本にあるのは「いかにわかりやすく伝えるか」という精神だろう。「意図通りに伝わらないとしたら、それは伝える方に問題がある」ぐらいの考え方で、伝えることに取り組めばカイゼンも大きく進むのではないだろうか。